いずれの「陰謀論」も、ストーリーとしては成立しているところがあり、ほとんど予定通りに、選挙の前も後も行動している、という事情がある。

事実はどうなのかと言っても、正直、よほどの選挙監視体制が、事前準備の段階から入っているのでなければ、選挙結果の妥当性について、確定的なことを言うのは難しい。外部者にとっては特にそうだが、ベネズエラに居住していたとしても、そうであるかもしれない。自らの立ち位置によって、見えてくる現実が変わってしまうからだ。

民主主義の危機が叫ばれて久しいが、「権威主義が広がっているから危機だ」、「欧米主流派メディアが偏向しているから危機だ」と主張し合っても、ベネズエラくらいの段階になると、もはや閉塞状況を脱け出すことは非常に難しい。