農家が灌漑設備や農機を利用しやすくする工夫

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ケニアのSunCultureは太陽光発電式の灌漑用ポンプを製造し、スプリンクラーや蓄電池とセットにして、小規模農家に従量課金制(PAYG)で提供している。いわば農業用水のサブスクだ。これによりポンプの購入資金がなくとも、農家は灌漑農業を開始できる。同社は2013年の創業以来、累計約5,000万ドルを調達している。

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アフリカ農家を守る農業保険も誕生
灌漑設備やビニールハウス、農機などを使わない小規模農業には、天候の変動に大きく収入が左右されるというリスクがある。干ばつで雨が降らなくても、逆に大雨が発生しても、圃場や農作物に被害がでて収穫量が変動し、販売する際には市場での価格変動の影響も受ける。そこで必要になるのが農業保険だ。

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興味深いのは、同社が直接小規模農家に保険を提供するのでなく、小規模農家に対して種子や肥料などを提供している政府、農業組合、援助機関、民間企業と組むことで、これらサービスの一環として収量保険を提供している点だ。
小規模農家に農業保険を提供する上での障壁のひとつは「保険の必要性や複雑な仕組みを理解してもらい、あらかじめ費用を払ってもらうこと」であるのだが、農業組合などをアグリゲーターとして間に挟むことで、小規模農家に保険の複雑な仕組みを理解してもらう工程をスキップし、手を煩わせることなく保険を提供しているのだ。
同社は今年4月のシリーズBラウンドで2,000万ドルを調達したばかりで、2015年の創業以来の調達額は3,000万ドル弱に達している。

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