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上質で4気筒ターボもあったけど…セルボ・モード(4代目・1990年)
ライバルともども「需要なし」で終わってしまった5代目(2006年)
上質で4気筒ターボもあったけど…セルボ・モード(4代目・1990年)
1990年、660cc版セルボとして登場した4代目は「セルボ・モード」と改名、女性向けというコンセプトは相変わらずでしたが、3代目までのクーペルックは捨てて高級路線へ…ライバルのダイハツで言えば「ミラ・モデルノ」のような上級モデルに転じました。
内外装ともに質感の高さは見事なもので、軽自動車初の直列4気筒DOHC16バルブターボエンジン「F6B」を積むなど、スズキ軽自動車版「小さな高級車」と言ってもよいレベルに達しますが、ここでもやはり少々のチグハグ感が。
ライバルが早々に4速ATを採用したのに対し、スズキは軽自動車用4速AT自体が1995年までなかったので採用が遅れ、セルボ・モードでも後期型の自然吸気エンジン上級モデルのみでターボ車は3ATのまま。
しかもDOHC4気筒ターボを積む最上級グレード「SR-FOUR」は最後までAT設定すらない5速MT専用車であり、それでいてスズキの軽ホットハッチ最強モデルは常にアルトワークスのRS系(DOHC3気筒ターボ搭載車)でしたから、SR-FOURのAT不在は不思議です。
さらに1994年にモデルチェンジしたアルトとは異なり、1998年の軽自動車規格改定(現在まで続く新規格)まで8年も小規模なマイナーチェンジと1996年8月のレトロ版「セルボ・クラシック」追加のみで、そのまま消滅。
カプチーノのように特殊なスポーツカーならばともかく、実用ハッチバック車の高級版として登場した割には、かなり寂しい生涯でありました。
ライバルともども「需要なし」で終わってしまった5代目(2006年)
1998年のセルボ・モード廃止で終わったかに見えた「セルボ」の歴史ですが、2006年に突如復活を遂げます。
それも5ドア化されたとはいえ前席頭上を頂点としてなだらかに降りるルーフラインは3代目「横丁小町」を思わせるクーペルックで、流行のトールワゴンではなく全高1,550mm以下に低く押さえ、フロントマスクも精悍でスポーティな「軽GT路線」です。
ライバルのダイハツ ソニカ同様、スペース効率重視の軽トールワゴンとは対極となる、長距離高速巡航向きで、ソニカのようにターボ専用車ではなかったものの、歴代初の「男性向けコンセプトなセルボ」でした。
ついに5代目にして本来あるべき姿に…と思いたいところでしたが、ソニカともども「軽GTの需要はない」という結果に直面、ソニカよりは経済性や実用性(積載性)で有利だったため2011年まで販売されたものの、いずれにせよ「それっきり」で終わり。
何となく恵まれないまま4代目まで作られ、5代目も販売面はパッとせず終わったセルボですが、スズキには実験的な試みをする車種に「セルボ」と名付ける傾向があるため、あるいは今後も、何か奇抜なモデルの車名として復活する日が来るのかもしれません。
※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。
文・MOBY編集部/提供元・MOBY
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