事件の余波と真相究明の試み

 その後も超常現象は続いたとされ、この事件は神秘主義的な番組や自称超心理学者たちの格好の題材となった。彼らは家族を精神的ストレスや本当の恐怖に陥れた。

 メディアの過剰な報道により、マキシとリカルドはいじめを受け、マリネラは同名の映画に登場する有名な幽霊にちなんで「キャスパー」というあだ名をつけられた。グティエレス・ラサロ家の末っ子は「今日なら社会福祉サービスが介入していただろう」と語る。超常現象的な事件で未成年者がテレビに出演させられていたのだから。

謎すぎる「バジェカス事件」とは…17歳少女の不可解な死と続く超常現象の真相
(画像=イメージ画像 Created with DALL·E,『TOCANA』より 引用)

 後の調査で、全てが報道されたとおりではなかったことが明らかになった。例えば、ジャーナリストのダビド・クエバスは、兄弟の一人リカルドから証言を得た。彼は警察官が聞いたバルコニーの音の正体だったという。

「母が警察官たちをもっと驚かせるために、こっそり何かをテラスに投げるよう頼んだんだ。リビングにあった小さな石を拾って、バルコニーに行って投げたら、テラスにあった鉄の食器棚に当たったんだ。『バシッ』って音がしたよ。それが警官たちの聞いた音だったんだ」

 誇張されていたにせよ、いなかったにせよ、バジェカスでグティエレス・ラサロ家を悩ませた現象は、1996年に少女の遺体を発掘し、約束を果たしたことで収まったとされる。

 家族は90年代後半にその家を出た。彼らはラテンアメリカ系の家族に家を売却したが、その後の住人は特に異常を感じていないという。

 この「バジェカス事件」は、科学的説明のつかない現象と人々の不安や恐怖が絡み合った複雑な事例として、今なお人々の関心を引き付けている。事実と噂が入り混じる中で、真相の解明は今も続いている。

※参考:Espacio Misterio

文=青山蒼

※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。

提供元・TOCANA

【関連記事】
初心者が投資を始めるなら、何がおすすめ?
航空機から撮影された「UFO動画」が公開される! “フェニックスの光”に似た奇妙な4つの発光体
有名百貨店・デパートどこの株主優待がおすすめ?
ネッシーは巨大ウナギではない! 統計的調査結果から数学者が正体を予測
積立NISAで月1万円を投資した場合の利益はいくらになる?