続発する超常現象

 エステファニアの死後、バジェカスのアパートでは超常現象が激化した。コンセプシオンは、十字架が回転する、原因不明のガラスの破損、亡くなった娘の声が聞こえるなどの現象を目撃したと主張した。ドアが勝手に開閉するのも日常的な出来事となった。

 1993年11月1日、エステファニアの死から2年後、部屋に飾られていた彼女の写真が燃え、顔の部分だけが焼け焦げた。

謎すぎる「バジェカス事件」とは…17歳少女の不可解な死と続く超常現象の真相
(画像=画像は「Espacio Misterio」より,『TOCANA』より 引用)

 別の時には、コンセプシオンは就寝中に手足に触れられる感覚を覚えた。また、娘たちの人形が夜中に壁に激しく叩きつけられるとも語った。恐怖は家族を支配し、1992年11月27日、彼らは警察に通報することを決意した。

 主任警部ホセ・ペドロ・ネグリとその部下たちは、前例のない警察の記録に残された不可解な出来事の目撃者となった。具体的には鍵のかかったドアが激しく開閉する、バルコニーからの大きな音、小さなテーブルに現れた奇妙な茶色の物質、3本の爪跡が付いた壁から引きはがされた十字架などだ。

報告書には次のように記されている。

「2時40分、家族と面談し家の内部を観察した後、鳥肌が立った。家族全員と一緒に座っていたところ、完全に閉まっていた戸棚のドアが突然、不自然な形で開くのを目撃した。その後確認したところ、ドアは確かに閉まっていた。しばらくして電話が置かれているテーブルの小さなテーブルクロスに、茶色い固形の染みが現れたことに気づいた。家の様々な部屋を回っている際、木製の十字架が裏返され、取り付けられていたキリスト像が引きはがされるのを観察した」