■ギリシア型は「和鋏」、ローマ型は「洋鋏」

ギリシア型は日本で言うところの「和鋏」で、紀元前10世紀頃に古代ギリシアで羊毛の収穫に使われたものが起源とされており、日本へは中国を通して伝わったと考えられている。いまではローマ型が主流となり、ギリシア型のはさみが一般に生産・使用されているのは日本のみなのだそう。

ローマ型は、日本で「洋鋏」と言われているもので、その歴史は紀元前30年頃の帝政ローマ時代に遡り、鉛や針金の切断に使われていたと考えられている。こちらも日本へは中国や朝鮮半島を経て伝わり、奈良の正倉院に銅メッキを施したローマ型のはさみが残されているという。