フェラーリやポルシェのような派手な外見は持ち合わせていないけれど、ほんの少しフェンダーが膨らんでいたり、エクステリアやインテリアの意匠がわずかに違っていたりと、ただならぬオーラをまとった特別なセダンやハッチバック。それらは、いつの時代にも存在し「羊の皮をかぶった狼」として、クルマ好きを魅了してきました。ここでは、そんな現行車を紹介します。
Chapter
_ 速そうに見えないクルマとは?
_ ①ボルボ S90 R-Design
_ ②アルファロメオ ジュリア クアドリフォリオ
_ ③アウディ RS7 SportBack performance
_ ④BMW M5
_ ⑤レクサス GS F
速そうに見えないクルマとは?
2ドアクーペやミドシップモデルは、見るからに速そうな外観をまとっています。それに対して、セダンやハッチバックといたモデルは、居住性を重視した設計で、見た目はそれほど速そうに見えません。
しかし、なかにはスポーツカーに迫るハイパワーエンジンを載せたセダンが存在します。そのなかでも、現在、日本国内向けに新車発売されている4ドアのセダンに絞って見ていきます。
①ボルボ S90 R-Design
ボルボのフラグシップセダンS90のスポーティグレードが、R-Designです。パワーユニットは、T6という2.0L 4気筒ターボ+スーパーチャージャーで、最高出力235kW(320ps)/5,700rpm、最大トルク400Nm/2,200-5,400rpmを発生。それに8速ATを組み合わせています。
AWDの駆動方式を持つ足まわりには、専用のスポーツチューニングが施されており、255/35R20と低扁平サイズのタイヤを装着。8.5J×20インチのアルミホイールは、R-Design専用デザインです。
ベースがS90であることから、走行音はごく静かであり、高級車に相応しい静粛性を実現していますが、ひとたびドライブモードをダイナミックにセットすると、加速音の迫力が増します。
”ボルボ=安全、保守的”というイメージが一般的で、ひと目見ただけでは高級セダンにしか見えないかもしれません。しかし、その本質は300馬力オーバーのエンジンを載せたスポーツセダンなのです。