■やはり「染料」が原因なのか?
この調査結果を受けて、日本染色協会の担当者は「先に結論を申し上げますと、染料が綿に与える影響はよくわかりません」と断言。
「推論として扱って頂きたいのですが…」と前置きしつつ、「染料が綿の物性に影響を与えるのであれば、然るべきデータがあると思います。ないのであれば、因果関係は薄いと考えるのが妥当です」と、その背景について説明している。
続けて「Tシャツはとても伸縮性に富んでおり、縦方向にも横方向にも伸び縮みするので、バランス良く仕上げる必要がございます」「そして、生地の物性は加工履歴が大きく影響します。白は染色しないので他の染色品とは工程が異なり、収縮挙動も変わりますが、最終仕上時に収縮基準に収まるよう調整するので、白も色物も同一工場で加工したのであれば収縮に問題は無いはずです」と、分析してくれたのだ。
担当者は「縮んだ経験がある方は粗悪品を購入したか、取り扱いが雑であったと推察いたします」ともコメントしている。
念のため「染料」以外の観点から要因を探るべく、衣料品、服飾雑貨、家具等を対象とした性能評価を行う第三者試験機関・一般財団法人「ボーケン品質評価機構」にも同様の取材を打診したが、同機構にも「色毎の伸縮性の差異」に関するデータは存在しないとのことであった。