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クラフト体験工房はこんなところ
築100年を越える古民家でオーガニック茶体験
クラフト体験工房はこんなところ
加藤さんの工房は藤枝市の本郷地区という中山間地域にあります。
ご主人がきこりの仕事をしていて、そこで出てくる廃材を切り出して器づくりをしています。自宅兼工房の玄関を入った瞬間に目の前に薪ストーブが目に入ってきました。壁には鹿の皮や猪の牙などが飾られています。
きこりの仕事は、伐採だけでなく森林を守る仕事もあるそうです。放置されている森林は太陽光が森林内部全体まで届かなくなって地面に近い植物の成長が乏しくなります。そうして地面に近い植物がなくなると土壌が流出して土砂災害などが起こる可能性が高くなります。適切に森林を管理して、伐採した森林の再生を促して次世代に繋げるのがきこりの大事な仕事なのだそうです。
このような話を聞きながら作業をしましたので自分が作った箸がとても特別なものに感じられました。
加藤さんの家では星野ブラックという種類の鶏を飼っています。シマウマの模様のような羽の色で薄赤色の卵を産むそうです。クラフト製作の時に出た木屑と鶏の糞を混ぜて発酵させたものを野菜畑の肥料に使っていて無駄のない生活を送られています。卵を産み終えた年齢に達した鶏たちは美味しくいただいているとのこと。
人間本来の生活がまさにここにありました。飼っていた鶏を食べてしまう話も、すんなり心に入ってきました。
ちょっと憧れますね。
築100年を越える古民家でオーガニック茶体験
藤枝市滝沢地区にある古民家 椿邸でオーガニック(有機)栽培によるお茶の試飲を体験しました。
茶体験を主宰する杵塚さんは、茶畑と工場を持ち生産から製茶、販売までを一貫して行っている事業者です。一般的にはお茶を生産する農家と製茶・販売を手掛ける茶商に分かれていますが、よりよいオーガニック茶を提供するためにあえて自社で生産から販売まで全てを行っているそうです。
有機栽培されたお茶を飲み比べる
杵塚さんの茶畑で有機栽培が始まったのは1976(昭和51)年で、小さな茶畑からスタートし、現在では8haの広さの茶畑を展開されています。
藤枝のお茶の特徴は、山間地のために日照時間が平地よりも短く、温度変化が他よりも大きいなど環境ストレスが関係することで、香り高い銘茶となっています。
杵塚さんの畑では年間3回の収穫をするそうで、季節によりお茶の呼び方が異なっており、次のようになっています。
- 一番茶:新茶とも呼ばれ、4月下旬から5月上旬に摘採される茶葉で害虫がいない環境
- 二番茶:一番茶の摘採から45日後くらいの夏の時期に摘採する茶葉。この時期は"うんか"と呼ばれる害虫がお茶の芽を吸ってしまう
- 三番茶 摘み取り時期が遅いため、番茶(晩茶)と呼ばれている
では、さっそく試飲します。
かぶせ茶とは、新芽が出る頃から藁を編み上げて作った菰(こも)を茶畑に日よけとしてかぶせ、直射日光を遮って育てる栽培方法ですが、杵塚さんの所では通常の期間よりも長い間日影に置いておくそうです。
一煎目は、50℃くらいのぬるめの湯でいただきました。
玉露を飲んでいるようで、うま味が口の中一杯に広がりました。
次に二煎目は、70℃くらいのお湯でいただきましたが、同じ茶葉から抽出しているのに心地よい苦みが加わり爽やかな飲み心地となりました。
仕上げ加工工程中、選別機によって新芽の茎だけを抽出したお茶を茎茶と呼びます。独特のさわやかな香りと甘みがありました。
香りをかいだ瞬間、口に含んだ瞬間、これまで味わったことのないお茶でした。
和紅茶は二番茶を使用しています。うんかによって新芽を吸われて発酵をした状態の茶葉は美味しい紅茶となるのだそうです。自然の成り行きを活かした、まさにオーガニック栽培ならではの産物ですね。
紅茶は緑茶と違う器でいただきました。
藤枝市を拠点に活躍されている陶芸家の器だそうです。提供する器まで藤枝産なんて素晴らしいですね。
古民家で宿泊体験もできる
茶体験をした椿邸は築100年を越える古民家で、一棟貸の宿としても利用できます。
ベッドルームにキッチン、ロフトも付いています。
調理器具や食器も完備されていて、食器には藤枝市内で活動している陶芸作家を中心とした作品もあります。