洋菓子製造大手の不二家は、2020年3月末にかけて店舗の減少が続いていた。しかし2020年6月末からは一転し店舗が増え始め2021年12月末時点では1,000店舗に迫る勢いとなっている。なぜ店舗数の減少が止まり増加に転じたのか。本稿では、その理由を探る。
不二家洋菓子店の店舗数が減少から増加に転じる
まず以下の表を見てほしい。不二家洋菓子店の店舗数の推移だ。冒頭触れた通り2020年6月以後、店舗数が減少から増加に転じている。
<不二家洋菓子店の店舗数の推移>
時期 | 店舗数 |
---|---|
2021年12月末 | 976店舗 |
2021年9月末 | 967店舗 |
2021年6月末 | 959店舗 |
2021年3月末 | 950店舗 |
2020年12月末 | 951店舗 |
2020年9月末 | 871店舗 |
2020年6月末 | 868店舗 |
2020年3月末 | 826店舗 |
2019年12月末 | 829店舗 |
2019年9月末 | 830店舗 |
2019年6月末 | 834店舗 |
2019年3月末 | 853店舗 |
店舗数が減少していたのは、洋菓子事業が不採算事業であり経営改革のために不採算店の閉店などを進めたことが主な理由だ。不二家は、洋菓子事業と製菓事業を展開しているが例えば2018年の通期決算における洋菓子事業のセグメント損益は-18億1,400万円となっている。2019年の通期決算でも赤字が続き洋菓子事業のセグメント損益は-14億1,700万円だった。
このころの不二家の決算資料では、不採算店舗の閉店を進めていることが説明されている。
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