1,160、1,086、1,007、977、961……。この数字は、ミスタードーナツの直近5年間の国内店舗数の推移だ。2017年3月末時点では1,160店舗あったが、2021年3月末時点では961店舗まで減少。店舗数の減少は、人気ドーナツ店に灯った「黄信号」なのだろうか。

店舗数の落ち込みが続くミスタードーナツ

ミスタードーナツはアメリカ発祥のドーナツチェーンで、日本においては清掃事業や外食事業を展開しているダスキンが運営会社となっている。日本で第1号店が開店したのは1971年で、その後急速に店舗数を増やしていった。

しかし、最近は店舗数が減少している。過去5年間の店舗数の推移は以下のとおり。平均すると、毎年約50店舗ずつ減っている状況だ。

<ミスタードーナツの店舗数の推移>

2017年3月期 2018年3月期 2019年3月期 2020年3月期 2021年3月期
1,160店舗 1,086店舗 1,007店舗 977店舗 961店舗
※出典:ダスキン公式サイト

直近5年間の売上高の推移は以下のとおり。直近3年間は増収が続いているが、2017年3月期と比べると2021年3月期は38億円ほど売上高を落としている。

<ミスタードーナツの売上高の推移>

2017年3月期 2018年3月期 2019年3月期 2020年3月期 2021年3月期
818億円 779億円 740億円 771億円 780億円
※出典:ダスキン公式サイト

なぜ店舗数は減っている?一方で1店舗あたりの売上高は増加

今、なぜミスタードーナツの店舗数が減っているのだろうか。このままミスタードーナツは、徐々に姿を消していくのだろうか。

ミスタードーナツ店舗数が減っている理由として、消費者側の環境の変化への理由が遅れたことなどが考えられる。生活スタイルの変化や少子高齢化、働く女性の増加などによって変化した消費者のニーズをうまく取り込めなかったようだ。

店舗数が減っているからといって、ミスタードーナツの事業が厳しい状況にあると判断するのは早計だ。特に2021年3月期の連結業績(2020年4月〜2021年3月)では、稼働店1店あたりの売上高は前年同期比で4.4%も上昇している。

コロナ禍によるテイクアウト需要をうまく取り込んだほか、他社との共同開発商品を展開する「misdo meets」が売上増につながった。

ミスタードーナツはテイクアウト専門店の展開も強化しており、利用者からも好評を得ているようだ。これらを勘案すると、店舗数は減っているもののミスタードーナツの事業基盤は決して脆くなく、今後も事業は安定的に続いていくと考えられる。

今年で事業50周年を迎えたミスタードーナツ

2021年は、ミスタードーナツにとって特別な年だ。ミスド事業が始まってから50周年を迎えるためだ。ここで、日本におけるミスタードーナツの歴史を振り返ってみよう。

1971年に大阪・箕面に1号店、京橋に2号店が開店し、1973年には現在でも人気の「フレンチクルーラー」が発売された。1975年には「オールドファッション」の販売も始まった。

1980年には第300号店が開店し、累計売上高は1,000億円を突破。1987年にドライブスルーに対応した店舗も開店し、ミスタードーナツはますます勢いに乗った。1990年代に入って「ミスター飲茶」を展開し、2003年には「ポン・デ・リング」を発売。

2010年代には復刻商品を発売し、他企業とのコラボ商品の開発にも力を入れた。現在のmisdo meetsにつながる取り組みだ。

ダスキンはミスタードーナツをアジア地域でも展開し、2020年12月末時点で台湾・タイ・フィリピン・インドネシアで7,892拠点を展開している。駆け足で説明したが、これがダスキンによるミスタードーナツ事業のサマリーだ。

ミスタードーナツはなくなる?なくならない?

ミスタードーナツが将来なくなるかどうかは、現在の数値からは判断できない。しかし前述のとおり、店舗数が減っているからといってミスド事業が厳しい状況に陥っているわけではない。むしろ海外でも事業を展開し、強気の戦略を継続している。

ただし外国企業の日本進出が進んでいるため、ライバルは増えている。特に2010年代以降は、かき氷やタピオカミルクティー、パイナップルケーキなど台湾スイーツの台頭も顕著で、決して楽観してはいられない状況だ。

従来のミスドファンに配慮しつつ、ライバルを意識した事業展開を進めていくことが、ミスタードーナツのさらなる躍進のカギになるのではないだろうか。

執筆・
国内・海外の有名メディアでのジャーナリスト経験を経て、現在は国内外の政治・経済・社会などさまざまなジャンルで多数の解説記事やコラムを執筆。金融専門メディアへの寄稿やニュースメディアのコンサルティングも手掛ける。

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