■続く女性殺害事件
翌1980年5月5日、ニュージャージーのホテルの一室で売春婦のヴァレリー・アン・ストリート(19)の遺体が見つかった。彼女の体は切断こそされていなかったが、背中で手錠をかけられており、口には粘着テープを貼られていた。全身に噛みつかれた痕が残り、脛を激しく殴られていた。彼女は窒息死しており、犯人は用意周到にその痕跡を消すと、死体をベッドの床下に隠して去ったようだ。しかし、間抜けにも犯人は手錠の鍵をなくしてしまったらしい。遺体とともに残したこの手錠からは指紋が検出された。
このホテルでは過去にも未解決の殺人事件が起きていた。1977年12月16日、ホテルの駐車場近くでX線技師のメアリ・アン・カー(26)の遺体が発見されていたのだ。彼女はやはり手錠をかけられた上、粘着テープで口を覆われて窒息死していた。首には絞められた痕が残り、胸や足を切りつけられ、全身に殴打した形跡が残っていた。
ストリートの遺体が見つかってからわずか10日後の5月15日、今度はマディソン・アヴェニューの古いホテルで売春婦のジーン・レイナー(25)の遺体が見つかった。彼女の乳房は切り取られてベッドボードに並べられており、犯人は部屋に放火して立ち去った。