「日経平均」と「TOPIX」の違いとは？代表的な経済指標をわかりやすく解説

投資をする、しないに関係なく、ビジネスパーソンであれば知っておきたい「日経平均株価」と「TOPIX」だ。日本経済の現況を知るには外すことのできない重要な経済指標となるのだが、日経平均株価のことやTOPIX、それぞれの違いをきちんと説明できるだろうか？

さまざまな経済指標のうちで一番メジャーな日経平均株価

経済指標は各国の公的機関が経済の現状や変化を正確に把握するために、物価、金利、景気、貿易などの経済状況を数値化したものだ。金利に関する指標は政策金利、景気に関する指標はGDPや消費動向、雇用状況を示すものは雇用統計などさまざまなものがある。

これらの経済指標を基に投資家はその国の経済状況を把握し相場を予想していく。日本の経済指標だけでなく、特にアメリカの経済指標は世界経済に大きな影響を与えるため、多くの投資家たちは注目している。特にアメリカの雇用統計は株価や為替相場に大きな影響を与えている。

経済指標がその国の経済の現況を示すものであるのに対して、株価の動きを示すものが株価指数だ。取引所全体や特定の銘柄群などさまざまな株価指数があり、日経平均株価もこの株価指数のひとつとなる。

日経平均株価は、日経平均と省略したり、日経225、Nikkei225とも呼ばれている、日本の株式市場を表す代表的な指標のこと。東証1部上場の中から225銘柄を選び株価を平均したものだ。日経新聞社がマーケットが動いている時間中、5秒ごとに算出し配信している。

225銘柄は景気に与える影響が高い企業、円高・円安の影響を受けやすい輸出関連企業などから選ばれるが、活発に売買取引される銘柄を選出するためにも、年に1度、10月初めに入れ替えが行われる。

2018年10月には、市場流動性の観点からサイバーエージェントが採用され、古川機械金属が除外された。また構成銘柄が上場廃止や東証2部へ降格となった場合は臨時入れ替えが行われる。

日経平均株価の計算方法は「東証一部上場225銘柄の株価合計÷除数」だが、単純に株価の合計を225で割るのではなく、指数の連続性を保つために、株式分割や株式併合、採用銘柄の入れ替えなどによる影響を修正して計算している。

TOPIXとは、東証一部に上場している全銘柄を対象とした株価指数だ。日本語では東証株価指数といい、「Tokyo Stock Price Index」を省略してTOPIXと呼ぶ。

TOPIXの計算方法は「現在の全銘柄の時価総額÷基準時価総額×基準値（100ポイント）」だが、TOPIXは円ではなくポイントで表示され、毎営業日に1秒間隔で算出し発表している。

2021年5月末日時点での上場企業数は2,191社となっており、このすべての株価が反映されるのがTOPIXの特徴だ。

日経平均株価とTOPIXでは対象とする銘柄の数が違う。日経平均株価は厳選された225銘柄によって算出されるのに対して、TOPIXは東証一部に上場している全銘柄を対象としている。

そのため、日経平均株価は1社の株価によって大きく影響受けるが、TOPIXは1、2銘柄が動いたくらいでは指数全体に影響を及ぼすことはない。

日経平均株価を構成している銘柄の中でも大きく影響を及ぼすのが、海外の景気や為替変動に左右されやすい「ハイテク関連株」や「輸出関連株」だ。

これらの銘柄の動きによって、日経平均株価は大きく指数が動くことがある。そのため外需関連株の動きを知るのには、日経平均株価が適しているとされている。

それに対してTOPIXは時価総額の大きな銀行株や証券株など内需関連株の影響を受けやすいとされている。

日経平均株価もTOPIXもそれぞれ利点があり、外需関連株と内需関連株それぞれの動きを見るのに適している株価指数だ。そのためどちらかだけを見るのではなく、両方を確認しておきたいものだ。ビジネスパーソンとして、また投資家として市場の動き予測に役に立つだろう。

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文・MONEY TIMES編集部