米国で2800人を対象に実施した調査で、44%が「仕事が原因で眠れないことが頻繁にある」と答えた。この傾向はミレニアル世代(18~34歳)ほど強く、60%が「仕事のストレスが睡眠に支障を来している」と感じている。

また別の調査からは、「仕事のストレスが原因の欠勤日数は年間1250万日にのぼる」ことも分かっている。

ストレスを感じる度合いは人それぞれだろうが、仕事のストレス対策・予防として、認知行動療法の専門家アレックス・ヘッジャー氏や米心理協会が専門家の提案する 「ストレス度を下げる7つの方法」を実践してみてはどうだろうか。

ミレニアル世代の男性が最も仕事でストレスを受けやすい?原因は様々

米短期会計・金融スタッフ派遣サービス、アカウント・テンプスが2018年、国内28都市の2800人の労働者を対象に実施した調査では、15%が「仕事が原因で眠れないことが非常に頻繁にある」、29%が「頻繁にある」と答えた。

主な原因は「仕事量が多すぎる、労働時間が長すぎる(50%)」「仕事上の問題が頭から離れない(48%)」「職場の人間関係(20%)」「リストラが心配(18%)」「上司が最悪(16%)」など。

影響を受けている年齢層はミレニアル世代(18~34歳)が最も高く57%。35 ~ 54歳 は45 %、55 歳以上は29 %と2分の1に減る。また男性の方(50%)が女性より(40%)も影響を受けやすい。

60%が「過去5年で職場でのストレス度が上がった」、52%が「毎日のように職場でストレスを感じている」。

また英国安全衛生庁の調査 では、2016~17年にかけて52万人以上が仕事のストレスで鬱や不安障害で苦しんだと報告されている。同期間、こうした症状によって失われた労働日数は1250万日にのぼる。

仕事でストレスを溜めない7つの方法

1.記録をつけて、自分の「ストレスサイン」を把握する

ひとことに「仕事のストレス」といっても、原因や圧迫感は様々だ。どのような状況でストレスを最も強く感じるのか、それに対して自分がどのように対応しているのかなど、詳細を記録・冷静に見直すことで、ストレスを感じるパターンや、自分でも気付いていなかった「真のストレスの種」が発見できるかもしれない。

パターンや本当の原因を認識すれば、対応策や予防策も立てやすくなる。特に頭に血がのぼって冷静に対応出来ないタイプには効果的だろう。

2.仕事とプライベートを極力分ける

「仕事をついつい自宅に持ち帰ってしまう」は非常にありがちなパターンだ。在宅勤務ならば、「ズルズルと朝~晩まで仕事をしてしまう」という人も少なくはないだろう。

デジタル化が進んだ近年、仕事とプライベートの時間を分けるのは非常に難しい。急ぎの仕事があればなおさらだ。

しかし可能な限りプライベートな時間を満喫するように心がけるだけで、意外なほどリフレッシュ出来る。精神的にも肉体的にもすっきりすることで、仕事の効率が上がるだけではなく、ストレスの原因になっていた些細な問題もそれほど気にならなくなるかも知れない。

3.仕事に支配されない

「仕事に支配されるのではなく、自分が仕事を支配する」という規則を徹底する。前述した「仕事とプライベートを分けれない」理由は、多かれ少なかれ仕事に支配されているからだ。自分が主導権を握っていれば、切り替えも比較的容易になる。

自分のストレスサインを見極め、負担に感じにくい仕事量や進め方を試してみよう。

4.変化をつける

毎日同じ職場に通い、毎日同じ仕事をしていても、ちょっとした変化を取り込むことは可能だ。

例えば通勤ルートを変えてみる、朝食に普段とは違ったものを摂ってみる、ネクタイや腕時計を変える、通勤中や昼休みに知らないアーティストの音楽を聴く、仕事の順序を変えてみる、新しい店でランチを摂る―ちょっとした変化が「同じことの繰り返し」という慢性的なストレスの原因の軽減につながる。

5.完璧主義者をやめて、非現実的な目標を見直す

完璧主義者であればあるほど、仕事でも妥協や失敗が許せない。その気負いが、しらずしらずのうちに自らを「非現実的な目標」に追い込んでいるのではないだろうか。小さなことが気になる、融通が利かない―完璧を追い求めるあまり、自分でストレスの原因を作り出している。

完璧主義者は周囲にも完璧を求める傾向が強いため、職場やプライベートの人間関係もぎくしゃくしがちだ。

仕事をこなす上で「完璧さ」にこだわるよりも、何をすべきか、どのような結果を出すべきかという「需要」に重点を置いた方が、肩の力が抜けて良い仕事が出来るかもしれない。

6.リラックスする方法を見つける

ストレスが多い人ほど常に神経を張り詰めており、常に神経を張り詰めているから些細なことでもストレスの種になる。この悪循環から抜け出すために、緊張の糸をほぐすリラックス法を見つけるといいだろう。

瞑想、アロマセラピー、読書、ヨガ、森林浴など、自分に合った方法ならば何でも構わない。ストレスを感じたら、あるいは感じそうになったら、リラックス法を試す。毎日の日課にすれば、ストレスを感じにくい性質作りにも役立つ。

7.周囲からサポートを受ける

ストレスを自分一人で抱え込むには限界があると感じたら、周囲のサポートを受けるのも一案だ。「相手にどう思われるか」と心配する人もいるが、家族、友人、職場の同僚や上司、あるいはカウンセリングの専門家など、自分が想像している以上に、救いの手を差し伸べてくれる人は多いのではないだろうか。

単に「グチ」を聞いてもらうだけでも、随分心がスッキリするものだ。

文・アレン・琴子(英国在住フリーランスライター)
 

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