散骨とは、故人の遺体を火葬した後の焼骨を粉末状にして海・空・山中などで撒く葬送方式だが、調べてみると内外の著名人で散骨を選んだ人々が非常に多いことがわかる。その実例と、理由について詳しく紹介する。

■散骨とは

 散骨には、火葬した遺灰を船の上から海に撒く海洋散骨の他にも、空・川・山中・公園・自宅の敷地内などでも行われる。古今東西、その理由は多種多様だが、ヒンドゥー教などではそもそも墓の習慣がなく散骨が一般的な葬送方式である他、共産主義国家において墓は「迷信の産物」であるとして散骨された指導者たちも多い。また、ナチスドイツの指導者層や、東京裁判で死刑となった東條英機らA級戦犯など、信奉者たちにより聖地化することを防止する事を目的とした散骨もある。

 また、以前の記事で紹介したが、筆者の妻の母国タイでも散骨が一般的で、国民の95%を占める仏教徒のほとんどは散骨され、基本的に墓地は無いのだが、遺骨の一部を寺院の通路の壁などに塗り固めることもある。2014年に妻の父が亡くなった際にも、火葬された後に近親者たちがチャーターした船に乗り、海上で散骨した。海から遠い土地に住んでいる場合は、川や山中に散骨することもあるようだ。

死後に散骨された世界の偉人・有名人! 墓に眠ることを拒んだ“本当の理由”とは?
(画像=イメージ画像 Created with DALL·E,『TOCANA』より 引用)