「三井住友カード ゴールド」は、数あるゴールドカードの中でも人気の1枚。還元率はコンビニで5倍になり、年会費の割引もあるなど、実はコスパの良いクレジットカードでもある。ここでは「三井住友カード ゴールド」のメリット・デメリットを整理しつつ、どんな人におすすめかを紹介していこう。

目次
1,「三井住友カード ゴールド」の3つのポイント
2,基本スペックと審査基準 目安は年収300~350万円
3,ポイント還元率は通常0.5% 数多くのポイントアップの仕組み
4,4つのメリット ラウンジ、付帯保険、医療相談、デュアル発行
5,そのほかの特徴は?旅行系優待やセキュリティアップサービスなど
6,「三井住友カード ゴールド」のデメリット
7,「三井住友カード ゴールド」の口コミ・評判は?
8,「三井住友カード ゴールド」はどんな人におすすめか?

1,「三井住友カード ゴールド」の3つのポイントは?

「三井住友カード ゴールド」を申し込む際に押さえておきたい特徴を挙げるとすれば、以下の3つだろう。

  1. 充実した付帯保険(最高5,000万円の海外・国内旅行傷害保険、年間300万円限度のショッピング保険)
  2. 年中無休で24時間、医師に無料で電話相談ができるサービス
  3. 通常0.5%とポイント還元率は平均的

このような特徴を持つクレジットカードだが、還元率や所持するメリットについて詳細を解説していこう。

2,「三井住友カード ゴールド」の基本スペックと審査基準

申し込みを検討する前に、まずは「三井住友カード ゴールド」の基本スペックとその審査基準を把握しておこう。

「三井住友カード ゴールド」の基本スペック

「三井住友カード ゴールド」は、空港ラウンジが無料で利用できるなどゴールドらしいサービスと付帯保険が充実した1枚だ。三井住友カードというとVISAのイメージが強いが、Mastercardも選べる。
 

国際ブランド VISA/Mastercard
年会費 1万1,000円(税込)→条件を満たすと4,400円(税込)
※家族会員1人目無料、2人目1,100円(税込)
ポイントサービス Vポイント
ポイント還元率 通常0.5%
ポイント交換対象 Tポイント
楽天ポイント
ANAマイルなど
空港ラウンジ 国内主要空港+ハワイ・ホノルル空港
(ダニエル・K・イノウエ国際空港)
付帯保険 ・海外・国内旅行傷害保険
・ショッピング保険
追加カード ・家族カード
・ETCカード
・バーチャルカード
電子マネー iD
WAON
PiTaPa

「三井住友カード ゴールド」の審査基準 年収の目安は300万~350万円

申し込みは「満30歳以上で本人に安定継続収入があること」が条件となっており、勤続年数を重視していることが伺える。審査基準については公開されていないので口コミ情報となるが、年収の目安は300万~350万円以上と言われている。

一般的に、ゴールドカードの審査では過去のクレジットヒストリー(クレジット利用履歴)が重視される。一般カードで、年間100万円以上のクレジット利用を3年ほど続けていると、審査に通りやすくなるようだ。もちろん、カード利用代金の支払いの延滞があってはならないことは言うまでもない。

「三井住友カード ゴールド」も例外ではない。まずは一般カードで利用実績を積み、しかるべきタイミングでゴールドに申し込むといいだろう。キャッシング枠の審査はショッピング枠よりも厳しいため、申し込み時は「キャッシング枠0円」にしたほうが審査に通過しやすい。ゴールドカードを取得後、しばらく利用実績を積んで信用を築いてから、キャッシング枠を改めて申し込むことをおすすめする。

3,「三井住友カード ゴールド」のポイントサービス、還元率 

クレジットカードの選択で大きな判断基準になるのが、ポイント還元率だ。ここからは、「三井住友カード ゴールド」のポイントサービスを紹介していこう。

貯まるポイントと還元率 通常還元率は0.5%

クレジット利用で貯まるのは、三井住友カードの「Vポイント」。200円につき1ポイントが貯まる。ポイントの価値は交換先によって変わるが、最も交換レートの良いもので1ポイント→1円相当なので、ポイント還元率は最大0.5%ということになる。

ポイントは何に移行・交換できるのか?主要ポイントやANAマイルが対象

貯めたポイントは景品に交換できるほか、キャッシュバックもできる。そのほか、Tポイントや楽天スーパーポイント、dポイント、Pontaポイント、WAONポイントなど他社ポイント、ANAほか複数の航空会社のマイルへの移行もできる。一部の交換対象の交換レートを一覧にしたので参考にしてほしい。
 

Vポイント交換レート表
交換対象 Vポイント→
交換対象ポイント等
キャッシュバック 5P→3円
ANAマイレージ 500P→300マイル
iDバリュー 1P→1円
Tポイント 500P→400P
Pontaポイント
楽天Edy
スターバックスカード
WAONポイント
楽天スーパーポイント 500P→500P
dポイント
ビックポイント
PeXポイント
Pontaポイント
(au契約者)
三井住友カードWAON
Amazonギフト券
Google Play
ギフトコード
App Store&iTunes
ギフトカード

ポイントアップの仕組み 主要コンビニで還元率が2.5%に

通常のポイント還元率は0.5%だが、還元率をアップさせるさまざまな仕組みが用意されている。

・いつでもポイント5倍――セブン、ローソン、ファミマで常時5倍
セブン-イレブン、ローソン、マクドナルドの利用では、ポイント5倍(ポイント還元率2.5%)となる。

・利用実績によるステージボーナス――50万円以上から対象
前年度の利用額に応じて、ボーナスポイントが付与される。
 

前年度クレジット利用総額 本年度ボーナスポイント
300万円以上 50万円のクレジット利用で300ポイント付与
以降10万円ごとに60ポイント付与
100万円以上300万円未満 50万円のクレジット利用で150ポイント付与
以降10万円ごとに30ポイント付与
50万円以上100万円未満 50万円でのクレジット利用で100ポイント付与
以降10万円ごとに20ポイント付与

年間50万円以上の利用から、ボーナスが付与される。月の利用額に直すと4万円ほどだ。メインカードとして使っていれば、問題なく達成できるだろう。

・「ポイントUPモール」・「ココイコ」利用など――ポイント2倍~
ポイントサイト「ポイントUPモール」を経由したネットショッピングでは、ポイントが2~20倍になる。また、事前エントリーの上で街ナカの提携店舗でカードを利用すると、ポイントやキャッシュバック特典を得られる「ココイコ!」という仕組みもある。

さらに、対象店舗の中から3店舗を選んで登録すると、そこではポイントが2倍になるサービスもある。対象店舗には、ドトールやマツモトキヨシなどがある。

4,「三井住友カード ゴールド」の4つのメリット――ラウンジ、付帯保険、医療相談、デュアル発行

このように多くのポイント還元率アップの仕組みがあるが、他にも「三井住友カード ゴールド」には注目すべき4つのメリットがある。

メリット1,空港ラウンジ利用無料サービス 国内空港とハワイが対象

国内主要31空港のラウンジと、ハワイ・ホノルルの空港(ダニエル・K・イノウエ国際空港)のラウンジを無料で利用できる。快適なソファーやフリードリンクなどが提供され、一般の待合室よりも快適に出発を待つことができる。

メリット2,充実した付帯保険 保険は自動付帯!家族特約も

最高5,000万円の海外・国内旅行傷害保険が付帯する。旅行傷害保険は旅行代金をカードで決済したかどうかにかかわらず付帯する「自動付帯」だが、「傷害死亡・後遺障害」に関してはカード決済の有無によって最高補償額が変わる。なお海外旅行傷害保険には、19歳未満の家族にも一定の保険が適用される「家族特約」が付帯する。

海外旅行傷害保険

保険項目 保険金額
(本会員・家族会員)
保険金額
(家族特約対象者)
傷害死亡・後遺障害 最高5,000万円
(旅行代金のカード決済がない場合は
最高1,000万円)
最高1,000万円
傷害治療費用
(1事故の限度額)
300万円 200万円
疾病治療費用
(1疾病の限度額)
300万円 200万円
賠償責任
(1事故の限度額)
5,000万円 2,000万円
携行品損害
[自己負担:
1事故3,000円]
(1旅行中かつ
1年間の限度額)
50万円 50万円
救援者費用
(1年間の限度額)
500万円 200万円

国内旅行傷害保険

保険項目 保険金額
傷害死亡・後遺障害 最高5,000万円
(旅行代金のカード決済がない場合は最高1,000万円)
入院保険金日額 5,000円
通院保険金日額 2,000円
手術保険金 最高20万円

そのほか、カードで購入した商品の破損・盗難による損害について、購入日ならびにその翌日から90日間、300万円を限度として補償されるショッピング保険も付帯する。

メリット3,無料医療相談 年中無休で24時間利用できる

年中無休で24時間、医師に無料で医療電話相談ができる「ドクターコール24」を利用できるので、自分や家族の健康管理に活用できるだろう。年会費無料のクレジットカードはもちろん、他社ゴールドカードでもこのようなサービスは少ないため、大きなメリットと言える。

メリット4,VISAブランド/Mastercardブランドのデュアル発行 サービスの種類が増える特典

「デュアル発行」の対象となっている「三井住友カード ゴールド」。これは、希望すればカードの申し込み時にVISAブランドとMastercardブランドを1枚ずつ、計2枚同時に申し込むことができるというもの。VISAブランドかMastercardブランドの「三井住友カード ゴールド」をすでに持っている場合、同じカードをもう一方の国際ブランドで新たに申し込むかたちのデュアル発行もできる。

デュアル発行には使える加盟店数が増えるほか、各国際ブランドが独自に提供するサービスやキャンペーンなどを両方利用できるというメリットがある。

デュアル発行した場合は、以下のように2枚目の年会費がかなり安くなるので、2つの国際ブランドをお得に利用できる。

「三井住友カード ゴールド」をデュアル発行した場合の2枚目の年会費

本会員 家族会員
2,200円(税込) 1人目無料、2人目から1,100円(税込)

5,「三井住友カード ゴールド」のそのほかの特徴 旅行系優待やセキュリティアップなど

そのほかの「三井住友カード ゴールド」の特徴には、すべての三井住友カードに適用されるものも含めて、以下のようなものがある。

ホテルやレンタカー割引など旅行系の優待が充実

  • 宿泊予約サービス「Relux(リラックス)」の最低価格保証額からさらに初回7%、2回目以降5%の割引が適用される。
  • 「VJホテルステイプラン」として、全国のシティホテル・リゾートホテルに優待料金で宿泊できる。
  • 宿泊予約サービス「Hotels.com」が提供するセール価格から、さらに9%オフ。もしくは4%オフに加え、「Hotels.com」のリワード(10泊につき1泊が無料になる)優待を利用できる。
  • 海外の「ハーツレンタカー」「バジェットレンタカー」を優待料金で利用できる。
  • 一部空港で国際線利用時に宅配サービスを15%オフで利用できる。
  • 一部空港で手荷物預かりサービス・コート預かりサービスを15%オフで利用できる。
  • 一部空港で海外用携帯・海外用WiFiルーターのレンタル料が50%オフ、通話料が15%オフになる。
  • 「JALエービーシー」が提供するスーツケースレンタルサービスが15%オフになる。
  • 「VJ CHECK&CHECK CLUB」として、レストラン・居酒屋の料金20%オフなど優待を利用できる。
  • 日本国内のゴルフ場(約700コース)の平日プレー予約代行(有料)を利用できる。

セキュリティアップのためのサービス

ゴールドカードに限らないが、三井住友カードではカード裏面の署名欄横に顔写真を入れることができる。それにより、盗難・紛失時の不正利用を抑止できる。顔写真入りのカードを作るのに、手数料はかからない。

さらに三井住友カードでは、カード表面へのカード番号印字と凹凸のあるエンボス加工をやめ、裏面にカード番号を印字する形に変えている。これにより、利用時の盗み見リスクが低減されると言われている。

6,「三井住友カード ゴールド」のデメリット 還元率の低さ、高額な年会費

ここまでメリットを見てきたが、検討の際にはデメリットも認識しておきたい。

デメリット1,通常のポイント還元率が高くない

ポイント還元率が1%以上のカードもある中で、通常0.5%というのは物足りない。たとえば年間200万円利用した場合、ポイント還元率0.5%のカードでは1万円相当のポイントが貯まる。一方で還元率1%のカードでは、2万円相当のポイントが貯まることになる。たかが1万円の差と思うかもしれないが、使うカードの違いだけで生じる差と考えると、決して小さな額とは言えないだろう。

還元率は、の仕組みをうまく利用することで改善できる。自分がよく使う店やネットショップが対象かどうか、確認しておくといいだろう。

デメリット2,年会費が1万1,000円(税込)と比較的高額

これまで年会費が安い、あるいは無料の一般カードしか使ってこなかった人にとって、1万1,000円(税込)の年会費は高く感じられるだろう。ただし、条件を満たすことで年会費を安くすることができる。

まず、インターネットからの入会で初年度の年会費は無料になる。2年目以降も、カード利用代金明細書をウェブで確認するサービスを利用すると1,100円(税込)割引に。さらに、自動リボ払いサービス「マイ・ぺイすリボ」に登録し、かつ前年1回以上の利用があれば年会費が半額になる(2021年2月以降の年会費支払い分からは前年のリボ払い手数料の支払いが条件)。

また前年度のクレジット利用金額に応じて、翌年度の年会費が最大半額になる。ただし、これは「マイ・ペイすリボ」の登録による割引とは併用できない。割引率は以下のとおりだ。
 

利用金額 年会費割引率
前年度クレジット利用額
100万円以上300万円未満
次回年会費が20%割引
前年度クレジット利用額
300万円以上
次回年会費が半額

これらの年会費割引優待が最大で適用された場合、年会費は4,400円(税込)となる。これなら、1万1,000円(税込)の年会費を高く感じる人でも、手が届きやすくなるだろう。

7,「三井住友カード ゴールド」の口コミや評判は?

実際に「三井住友カード ゴールド」の利用者はどんなメリットやデメリットを感じているのだろうか。口コミをそれぞれ見ていこう。

「三井住友カード ゴールド」の良い評判・口コミ

「三井住友カード ゴールド」はポイントを貯めるカードとして有効的や空港ラウンジが使用できる点が魅力だという口コミを多く見かけた。

A.Iさん|40代女性
事務職の会社員

「三井住友カード ゴールド」は海外でも使用でき、とても便利だと思います。申し込みはインターネットで簡単にできるので楽になっていいと思います。また、明細書も紙だと邪魔になりますが、WEB明細なのでいつでもどこでも確認できて便利です。ネットショッピングをよくする人にはポイントもついていいと思います。

K.Kさん|30代男性
営業職の会社員

メリットといえば、充実したサポートサービスや空港ラウンジで「カードラウンジ」が使えること、写真入りカードが選べることなどあります。中でも1番のおすすめは、買い物の累計金額に応じてもらえるボーナスポイントです!

S.Gさん|30代女性
専業主婦

「三井住友カード ゴールド」はステータス性を感じさせるクレジットカードです。空港ラウンジは国内31ヵ所・海外1ヵ所が無料で利用することができるのが魅力です。またラウンジではソフトドリンクを無料で飲めたり、無線LANを利用できたりと出発までの空き時間を有効活用できます。ポイントに関してはセブンイレブン、ファミリーマート、ローソンに加えてマクドナルドで、Vポイントが通常の5倍貯まるのでお得です。

N.Kさん|30代男性
事務職の会社員

さまざまなカード付帯保険がついているので、旅行に出かける人や出張が多い人にはとても便利なサービスです。また空港のラウンジが使用できるサービスもとても魅力です。

「三井住友カード ゴールド」のデメリット・改善してほしいところ

デメリットの部分では年会費や還元率についての口コミが多く見られた。利用者は優待などのサービス内容に対し、少し年会費は高いという印象を受けているのかもしれない。今後サービス内容の改善は期待したいところだ。

A.Iさん|40代女性
事務職の会社員

「三井住友カード ゴールド」のデメリットは年会費が高いので、せめて年会費の値下げをしてほしいです。

N.Kさん|30代男性
事務職の会社員

とにかくサポートダイヤルがつながりにくい時が多いです。特に週明けや月末月初などはなかなかつながらないので困っています。あと細かいサービス内容なども少しわかりにくい点があり、サポートページを見てもよくわからないところが多々ありました。そのあたりはとても不便でした。

S.Gさん|30代女性
専業主婦

「三井住友カード ゴールド」の基本的な還元率は0.5%なため、還元率が1%のクレジットカードと比べると高還元カードとは言えないかと思います。また年会費に関しても割引サービスはありますが、1万1,000円もかかってしまいます……。

K.Kさん|30代男性
営業職の会社員

ポイントの還元に関してはよいと思うのですが、はっきり言ってそれだけしかないといった感じです。三井住友のサービスは、他のゴールドカードと比べてユニークで希少価値の高い優待が少ないという印象を受けています。

8,「三井住友カード ゴールド」はどんな人におすすめか?

平均的なゴールドカードのサービスと比べて、このカードの特に優れたメリットと言えるのは、家族特約付きの海外・国内旅行傷害保険と医療相談サービスだろう。そのほかのスペックはゴールドカードとしては一般的だが、年会費を4,400円(税別)まで安くした場合はコスパも良くなる。

ゴールドカードのサービスをリーズナブルに利用したい人にとっては、お得に使えるカードと言っていいだろう。メガバンクグループ企業が発行するクレジットカードとしての信頼感もメリットと言える。

なお、この1つ上のランクには「三井住友プラチナカード」というハイスペックなカードがあるので、将来それを持ちたい人が、審査で有利になる利用実績を積むためのカードとしてもおすすめだ。
 

モリソウイチロウ
執筆・モリソウイチロウ
「ZUU online」をはじめ、さまざまな金融・経済専門サイトに寄稿。特にクレジットカードに詳しく、専門サイトでの執筆も行っている。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、企業広報サイトなどに編集・ライターとして関わってきた経験を持つ。
「ZUU online」をはじめ、さまざまな金融・経済専門サイトに寄稿。特にクレジットカードに詳しく、専門サイトでの執筆も行っている。雑誌、書籍、テレビ、ラジオ、企業広報サイトなどに編集・ライターとして関わってきた経験を持つ。

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