隈研吾さんの建築物が多く建つことで話題の町、高知県梼原(ゆすはら)町。町立図書館も隈研吾さんによって設計されています。

その名も「雲の上の図書館」。雲の上の町という梼原町のキャッチコピーから名づけられました。

黒壁に隈研吾作品の特徴である木製のルーバーが規則的に配置されて装飾されています。前面には芝生の庭があってとても開放的です。

「雲の上の図書館」はかつてここにあった小学校の跡地に建てられました。小学校は中学校と一体化した「梼原学園」として他の場所に移転しています。街の少し高くなっている場所にあるので街の中心部からもその姿を見ることができます。

それでは館内に入りましょう。この図書館の最初の特色がいきなりここに現れます。この図書館は靴を脱いで入ります。館内は梼原産の木材がふんだんに使われていますが、床の木のぬくもりを存分に感じてもらいたいという目的です。

館内に入り目に入るのは階段状に積み上げられた本棚は前回紹介した町内の棚田をイメージしています。屋根を飾る無数の組木はすべて町内産のスギで作られていて館内に木の香りが漂います。無数の組木と相まって森の中にいるかのような錯覚を感じさせます。もっとも上の段は「ゆすはらステージ」と呼ばれ、ここで音楽会や朗読会が開かれていて町の文化発信拠点となっています。