生まれてから12年間、木箱の中に閉じ込められていた少女がいる――。この母親の愚行は残酷な犯罪でありが許されていいはずはない。

木箱の中にいた少女

 おぞましい監禁事件が発覚してニュースを賑わせることがあるが、驚くべきことにロシアの農村でかつて木箱の中に生まれてから12年間閉じ込められていた少女がいたのだ。

 当時はソビエト連邦であったロシア・キーロフ地方にある小さな村、アレクサンドロフスコエの住民女性、リュボフ・ミハリツィナは地元の豪農へ日々通い使用人として真面目に働いていた。

 1989年のある日、遅刻や無断欠勤などしたことのないリュボフが職場に現れなかったのである。心配した2人の同僚は仕事が終わるとリュボフの自宅を訪ねた。

 鍵のかかっていないドアを開けて家の中に入った2人は、床に倒れて絶命しているリュボフを確認することになる。後に死因は飲酒が原因の心臓発作であったことが判明した。