■プーチン式「超長期政権」を模倣するも…
地方選でのAKP敗北の最大の原因は、長引くインフレである。70%近いインフレ率が庶民の生活を直撃している。この庶民の不満が反エルドアンへの流れを加速化させたのである。
エルドアンは、「今回の結果を真摯に受け入れて、大いに反省する」と敗北宣言をした。これから経済政策を練り直して、インフレを抑えることに全力をあげる決意である。
今のトルコ憲法は、大統領の任期を2期までに制限している。しかし、エルドアンはさらに長期政権を続けることができるように、憲法を改正して2028年の次期大統領選に出馬する意向である。プーチン大統領が憲法改正によって、超長期政権を維持してきている手法を真似ようというわけである。
しかし、今回の地方選の敗北で、その目論見は潰え去ってしまった。プーチンの手法は使えなくなったと言ってよい。
イマモール市長が強力なライバルとして躍り出てきた。エルドアンとしては、自分の後継者を選んでAKP党内で影響力を保つしか手はなさそうである。