■エルドアンの長期政権

エルドアンは、1991年の総選挙に立候補するも落選したが、1994年3月にはイスタンブール市長選に立候補し、当選した。2001年8月にはAKPを結成し、党首に就任した。2003年3月には国会議員に選出され、首相に就任した。2007年7月には国会議員に再選され、8月には第2次エルドアン内閣を発足させた。2011年6月には国会議員に3選され、7月に第3次内閣を組閣した。

2014年8月に、トルコ初の直接選挙による大統領選挙で当選した。それ以前は議会が大統領を選んでいた。

2017年には大統領権限の拡大を目的とした憲法改正を実現させ、2018年の大統領選挙で再選された。しかし、2023年の大統領選挙では野党統一候補に追い上げられ、決選投票で何とか当選するという状態となった。

首相時代から通算すると、エルドアンは、20年以上にわたって権力の座にいることになる。政権初期には経済運営に成功し、インフラの整備も進めて高い支持率を誇った。しかし、政権が長期化するに従って、言論弾圧など権威主義的傾向を強めていった。2016年7月には軍事クーデターが失敗すると、エルドアンはさらに規制を強化。まさに、「長期政権は腐敗する」という事態となっていったのである。