バレエを始めて3ヵ月すると娘が腹痛をうったえるようになる。「夜になるとおなかが痛くなる」と娘はいう。朝も痛がるときがあり、学校も休むようになってしまった。
バレエを始めてから半年で、娘が不登校になってしまったのだ。
Aさんはその時初めて、バレエは、娘に必要でなかったこと、むしろ生活リズムを壊してしまうものであったことに気づいた。
すぐにバレエを辞めさせ、娘が家でのんびり過ごせるようにした。Aさんもパートをやめて、娘のそばで過ごすようになり、1年経過したのち、3年生の秋には通常通り、毎日登校できるようになったそうだ。
Aさんの娘は今、中学3年生だ。塾通いについて、それとなく促すこともあるが、幼い頃のトラウマで、拒否するという。
Aさんも昔の反省から、しつこくいうのをやめている。
「あのとき、子供の気持ちが全くみえていなかった」
Aさんは今でも後悔しているという。
習い事のせいで子供が失っているもの
習い事のさせすぎで、子供が失っているものについて考えてみてほしい。
子供の将来のために、親心でなんでも経験させてあげたいのはわかる。
しかしその習い事の時間、子供は家庭を離れることになる。
ー朝起きたら学校にいき、帰ったらすぐさま習い事、帰ったら夕飯でお風呂で就寝ー
こんな日が週3回以上も続けば、家族と話す時間がなくなってしまうのではないだろうか。
赤ん坊のとき、会話がなくともずっと一緒に過ごしたはずだ。家族とただ、何もしないで同じ空間にいることも貴重なことを思い出してほしい。