工場を設立して大量生産を目指す
Kubikは2021年の設立以来、順調に成長している。2024年にはシードラウンドで520万ドルの資金調達をしたことが発表された。気候と持続可能性の分野における数百万ドル規模の資金調達は、エチオピアでは初めてのことだ。
一方で、製品の大量生産を本格化させたのは2023年のことである。首都アディスアベバで工場が立ち上げられたのだ。これはKubikにとってエキサイティングな出来事だとMichael氏は語った。
――工場の本格稼働によって、Kubikのビジネスはどのように進展しましたか?
Michael:1日あたり約5トンもの製品を生産することができるようになりました。生産量は着実に増やしており、最終的には1日あたり45トンの生産を目指しています。さらにはこれまでの顧客以上に、多くの潜在的な顧客への期待に応えることができています。
――新たな顧客の獲得につながったのですね。
Michael:はい。今では私たちの顧客は、手頃な価格の住宅を建設する不動産開発業者から、よりサステナブルな倉庫を求める製造業者まで多岐にわたっています。顧客の幅が広くなり、さまざまな用途で使用されるようになりました。これは市場における当社製品への期待の高さを示すものです。
ごみ収集労働者の生活の質を向上させる取り組みも
ゴミの削減、安価な住宅の供給、さらにはCO2排出量を減らすこと以外にも、Kubikが取り組んでいる課題がある。ゴミ収集労働者の生活の改善だ。労働者の多くは女性で、低賃金かつ不衛生な環境で働いている。
――プラスチックのリサイクルに従事する人とKubikとの関係について教えてください。
Michael:グローバルサウスの多くの地域には、非公式なリサイクル産業があります。私たちはリサイクルの難しいプラスチックに需要を生み出し、効率的に運用するためのサプライチェーンを構築しています。そのため、Kubikはリサイクル産業で従事する人と常に関わりがあります。
――具体的にはどのような関わり方をしていますか?
Michael:プラスチックごみをなくす活動の一環として、エチオピア東部の都市ハラールの自治体と提携しました。ハラールでは、リサイクル市場で最も立場の弱い200人以上の女性廃棄物回収業者と協力しています。彼女たちがより安全に作業できるよう、個人用保護具(PPE)を配布しました。
――彼女たちの生活を改善することはできましたか?
Michael:これまで多くの女性廃棄物回収業者は、男性の仲買人の非公式な搾取に苦しめられていました。しかし私たちは、彼女たちに回収したプラスチックを直接販売する機会を提供して、公正な取引を実現しました。
また、地元の銀行と提携することで、銀行口座にアクセスできるようにして、正式な方法で報酬を受け取れる仕組みを整えました。このように、彼女たちの収入を増やしながら、職場の安全性を高めることに取り組んでいます。