■ブラック・ダリア事件
1947年1月、女優を目指していた当時22歳のエリザベス・ショートが遺体で発見された。彼女は裸で見つかり、身体は腹部で切り裂かれて真っ二つの状態。また、血液が抜き取られており、殺害後に洗浄されていたこともわかっている。さらに、肛門と膣には彼女の太腿の皮膚が詰め込まれており、胃には犯人のものと思われる排泄物まで……。
エリザベスは黒い服を好んで着ていたことから、映画『ブルー・ダリア』になぞられて“ブラック・ダリア”と呼ばれていた。若い女優志望の女性が殺害されたことで、当時のマスコミは事件を大々的に報道。無惨な現場をそのまま撮影し、新聞の一面に掲載している。事件は社会的に大きな注目を集め、500人に及ぶ“自称犯人”や、関係者が出頭したが事件は現在も未解決のまま。このブラック・ダリア事件は、事件の猟奇性だけでなくマスコミの無責任さや残忍性が顕著に表れた事件として、小説や映画のモチーフとして取り上げられることも多い。