黎明期は自由発想で「自分たちが乗りたいクルマ」を次々と開発
T360
1963.08
ホンダ初の市販4輪車としてデビュー。Kカー規格のトラックながら、幻に終わったS360用354cc直4DOHC(30ps)を搭載。実質的にミッドシップのアンダーフロア構造により優れた走行性を計算。最高速度は100km/hに達し「スポーツトラック」の異名を獲得する。
S500
1963.10
1962年の全日本自動車ショーに出品されたプロトタイプの市販版。プロトタイプからエンジン排気量/ボディサイズとも拡大され、本格FRスポーツに仕上げられていた。エンジンは531ccの直4DOHC(44ps)、全長3330mm。その後S500はS600、S800に発展。クーペもラインアップに加える。
N360
1967.03
Kカーを革新したホンダ初の量産乗用車。広い室内スペースを実現したFF/2BOXパッケージングとパワフルな空冷2気筒ユニット(31ps)の組み合わせ。トップスピード115km/hを誇る高性能は衝撃的。31万3000円という低価格で瞬く間に軽ベストセラーの座を獲得。
1300
1969.04
独創の2重強制空冷方式ユニットを搭載した本格モデル。シングルキャブ(100ps)の77と4キャブ(115ps)の99シリーズを設定。駆動方式はもちろんFF。パワフルなエンジンにより優れたパフォーマンスを誇ったが、操縦性にクセがあり完成度は今ひとつと評価された。
1300クーペ
1970.02
クーペは、おとなしい印象のセダンとはまったく異なるスタイリッシュボディを採用。「フライトコクピット」と称したインテリアも印象的だった。セダン同様にシングルキャブ(7)と4キャブ(9)を設定。1972年11月には水冷エンジンを積む145シリーズに発展する。
Z
1970.09
ユニークなスタイリングのKカー初のスペシャルティモデル。「虫メガネ」と呼ばれたリアウィンドウは開閉可能なシステム。メカニズムはN360の発展版であるNIII360がベース。後にエンジンは水冷に変更され、ボディもセンターピラーレスのHTにリファインされた。
バモスホンダ
1970.10
自由発想のオープンKトラック。2シーターと4シーターが用意され、ルーフは着脱自在のキャンバストップ。バモス(VAMOS)という車名はスペイン語の「みんなでゆこう!」に由来していた。アンダーフロアエンジンのTNIII360がベースで走りと信頼性は高水準。
ライフ
1971.05
ライフは従来の“スポーティなホンダ”というイメージを一新したマイルドKカー。静粛性を追求したバランサー付き360cc水冷ユニット(21ps/30ps)を搭載。ファミリー志向の4ドアもラインアップした。スペース効率を徹底追求した広い室内スペースは大きな魅力だった。