【視認性抜群の“文字盤”をチェック】

【37mmで着け心地とデザインバランスが絶妙、“小顔”ツールウオッチ】ハミルトン“カーキ フィールド エクスペディション”実機レビュー
(画像=『Watch LIFE NEWS』より引用)

米軍仕様のミリタリーウオッチから、5分刻みのミニッツトラック、大きめのアラビアインデックス、デイト表示なしのシンプルな3針を継承しつつ、フォントや針のデザインを変えて、カジュアルで着けやすいデザインになった印象を感じる。個人的な感想だが、時間の見やすさは、既存の“カーキ フィールド”コレクションを超えたかもしれない。

また、注目したいのがディテールの細かさだ。外周のミニッツリングを含めて文字盤はワンプレートのシンプルな仕様だが、表面にはサンドブラスト加工を採用。ルーペで拡大しないと明確に認識できない微細な凹凸を備えており、シンプルでありながら、豊かなニュアンスと奥行き感と質を生み出しているのだ。5分刻みで配置したミニッツトラック、時分針と秒針の先端にオールドラジウムカラーの夜光塗料が塗布されているが、ヴィンテージ感を演出するカラーリングも、サンドブラスト文字盤と相性が抜群に良い。

個人的に感動したのが、針とインデックスの距離感だ。高級時計でも針の先端がインデックスやメモリにリーチしていない残念なデザインが散見されるなか、時針がインデックス、分針と秒針は外周の目盛りにしっかりと到達している。デザイン的なバランスが良いのはもちろん、とにかく時間が見やすい。軍用時計のDNAを感じさせる“カーキ フィールド”コレクションならではの作り込みと言えるだろう。

【ソリッドなコンパスベゼルと堅牢なケースに注目】

【37mmで着け心地とデザインバランスが絶妙、“小顔”ツールウオッチ】ハミルトン“カーキ フィールド エクスペディション”実機レビュー
(画像=『Watch LIFE NEWS』より引用)

ケースは直径37mmで、コンパクトだが小さ過ぎず大き過ぎず、サイズ感が絶妙。厚みのあるコンパスベゼル(ケースの厚さ11.45のうちベゼルが約3mm)が程よく存在感を発揮しており、ソリッドで多面的な造形が生み出す陰影が高級感を高めている。

なお、コンパスベゼルは簡易的なコンパスとしても機能を果たしてくれるので、念のため、使い方を解説しておこう。まずは、時計がなるべく平行な状態で時針を太陽の方角に合わせる。12時のインデックスと時計の真ん中が示す方向が南となるため、そこに回転式ベゼルの”S“を合わせれば東西南北の方位を知ることができるというわけだ。

日常生活で使うことはあまりないかもしれないが、アドベンチャーウオッチらしいツール感に、男心とロマンがかきたてられる人も多いことだろう。かくいう私もそのひとりだ。

【37mmで着け心地とデザインバランスが絶妙、“小顔”ツールウオッチ】ハミルトン“カーキ フィールド エクスペディション”実機レビュー
(画像=『Watch LIFE NEWS』より引用)

“カーキ フィールド エクスペディション”は、ベゼル、ケース、ブレスレットを含めて、外装が徹底的にヘアライン仕上げで統一されているのも美点。筆者は汚れや小傷が目立ちにくいヘアライン仕上げが大好物なのだが、変に色気を出して鏡面仕上げを加えず、ヘアライン仕上げに絞り込んだ潔い姿勢に、男心がくすぐられてしまった。

また、面白いのがラグの裏面の仕様だ。ケースもブレスレットも徹底的にヘアライン仕上げにこだわりながら、なぜかラグの裏面だけ鏡面仕上げでピカピカに研磨されている。“裏地にこだわる江戸っ子の粋”を思わせる仕様だが、この“裏勝り”な作り込みは嫌いじゃない。

じっくり見ないと気がつないマニアックな仕様に所有欲が刺激され、“ここだけ鏡面!?”という謎の仕様に何だか愛着をもってしまった。ヘアライン好きな筆者だが、あえて高評価ポイントのひとつに加えておきたい。ケースの裏面はシースルーバック仕様になっており、最長80時間パワーリザーブを備える自動巻きムーヴメント、Cal.H-10の駆動を楽しめる。