みなさま、近ごろ携帯電話に「見知らぬ番号からの着信」が増えたりしていませんか。特に「海外」からの着信。

 筆者はネット詐欺潜入記事を担当しているという職業柄、怪しいサイトやサービスに登録することが多く、一体いつどこでどんな情報を入力したのか、把握できなくなっております。結果、潜入用の携帯電話にはいろいろなことが起きるのですが、そのうちの一つが、「海外からの怪しい電話」です。

 ではこの電話に出てみると何が起きるのでしょうか。

■ 海外からの怪しい電話とは

 最近ネットでもよく話題になる、海外からの着信。

 特定の国からではなく、「香港」「スウェーデン」「オランダ」「イギリス」など、世界中あらゆる国の番号からかかってきます。見た目はかなりグローバルな感じではありますが、さすがにこの手の電話は出たくないと言うのが一般的。

海外からの怪しい電話に出るとどうなる?出てみた結果
(画像=『おたくま経済新聞』より 引用)

 ちなみに「非通知設定」もありますが、こちらはすぐにワンギリされます。ワンギリの場合は、番号が存在しているかどうかを確認するための着信と思われ、いずれにせよかなり迷惑。

 しかし、最近話題の「海外からの怪しい電話」の場合は、発信者の電話番号が表示され、ワンギリでもないので、何か目的があるのは明らか。

 あえてこの電話に出てみるとどうなるのか、今回はその辺を探ってみたいと思います。

■ 電話に出てみると……

 では出てみます。ちなみについ最近、同じように海外からの着信があったので出てみたら以前登録した「怪しい投資サイト」の営業電話でした。

 今回はどうなのでしょうか。早速電話に出てみました。

 着信時間は22:00で、着信元は「香港」。本来こんなに遅くかけてきても普通出る気はさらさらありません。

 香港との時差は1時間程度ですので、相手は21:00にかけてきていると言う感じです。

 で、出てみると……

相手:「○○サァン○○サァンのバンゴでヨロシデショカ」

 という、思いっきりカタコトの日本語。この時点で「ああ、怪しい投資系の勧誘か何かだろう」と察するも、とりあえず会話してみます。

自分:「はいそうです。どのようなご用件でしょうか」

相手:「○○サァンのニュリョクしたバンゴ、ザンネンデスが、コジンジョホ漏洩シテマス」

 なんと、個人情報が漏洩しているのだと言う。どうやら、筆者の番号にいきなりかけてきたのは「個人情報」が漏洩しており、それをもとに相手がかけてきているということのようです。

 確かに、筆者の携帯電話にはほぼ毎日と言って良いほど不審な電話が海外からかかってきます。これだけ多くの着信があるのは「個人情報漏洩」の影響だ……という説は筋が通りそう。もっとも筆者の場合は、あえて釣られているわけですが。

 てっきり「怪しい投資サイト」に登録しているから、その営業的な話をされると思いきや……ちょっと切り口が異なりました。なのでもう少しだけ話を聞いてみます。

相手:「○○サァンコジンジョホサクジョしたいですよね?」

自分:「はい」

相手:「○○サァン、デハイマカラ言うURLにアクセスしてください、サクジョのヒヨウは、250円です」

 なんと、個人情報の削除は250円でできるという。それなら安い!と考えるのか、それとも金がかかるのか、と考えるのかは人それぞれ。

 ただ、相手が言うサイトは気になるのでみてみると……どうやら、ブロックチェーンのコンサル系サイト。個人情報の削除手続きとは何の関係もなさそうですが、一般の方の中には「個人情報削除してもらわなきゃ!」と焦って登録してしまう人は一定数いるでしょう。

海外からの怪しい電話に出るとどうなる?出てみた結果
(画像=『おたくま経済新聞』より 引用)

 電話をかけてきた相手の狙いは恐らくそれ。サイトに登録をさせ、じわじわと金をむしり取る作戦だと思われます。個人情報が漏洩している、というストーリーは、まるで「サポート詐欺」の電話版。

 直接会話し、相手の心理につけ込むやり方は、インターネット上の「サポート詐欺」よりも効果があるかもしれません。特にお年寄りの場合は、信じる人が多そうです。

■ とりあえず話を続けてみるも……

 相手の狙いは「電話サポート詐欺」。とりあえずそこは分かったので、話を続けてみます。

 ただし、「相手が想定していないような意味不明な返事」をして、相手がどう反応するのか探ってみます。

自分:「個人情報漏洩は困るので、削除したいです。お金はあなたが払ってください」

相手:「○○サァン、アナタのコジンジョホですよ、ナゼワタシガハラウンデスカ(怒)」

 速攻キレてしまいました。日本の企業なら、もう少し丁重に会話を続けてくれますが、さすが海外。想定外の反応にかなり困っている様子。

 ここで、個人情報が漏洩しているのは、客の責任ではなく企業側の責任だと言い張ってみます。この電話の相手は先に登録した「怪しい投資サイト」の関係者、という可能性だってあるわけですから。

自分:「貴方のサービスだし、漏洩しているなら貴方の責任ですよね」

 このような指摘をおこなうと、予想だにしない煽りをしてきました。

相手:「○○サァン、頭ダイジョブでスカ」

 まさかの古典的すぎる「煽り」。もはや登録をさせる気は一切なくなったよう。その後、一点張りでそちらが払えと言い続けた結果、電話は切れ、以降かかってこなくなりました。

 結論として、個人情報の漏洩を理由に、目的のサイトに誘導させ課金をさせる手口のようです。恐らくまんまと引っかかる人はそう多くはないかと思いますが、お年寄りや子どもが狙われやすいのは事実。まず「知らない電話には出ない」ことをお勧めします。

 そして、海外番号から立て続けにかかってくるのは、確かに電話番号等がどこからか流出している可能性があります。

 そのような場合は、海外からの怪しい「電話サポート詐欺」にすがるのではなく、契約しているキャリア(携帯電話の会社)に相談するのが安全です。

(たまちゃん)

提供元・おたくま経済新聞

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