「社外の人との飲み会は残業代も支払い」ルール化が必要?

 40代の大手IT企業の管理職はいう。

「企業にもよるが、上司に飲みに誘われたり、部署の懇親会や取引先との親睦目的の飲み会では、現実的にはきっぱり断れずに事実上の強制出席となるケースも多く、残業代を払うべきかどうかは難しいところだろう。少し前までは、部署の忘年会や年度終わりの慰労会のたびに若手社員が幹事をやらされて、店の確保や当日の進行など結構な負担がかかり、完全に業務と化していた。結局、会社組織である以上は社内の飲み会は強制力が生じてしまい、『出席したくないけど出席する』『出席しないとシコリが残る』ということが起きるので、個人的には『社内の飲み会は廃止』『上司が部下を飲みに誘うのは禁止』『社外の人との飲み会は残業代も支払い、飲食代は経費負担』をルール化したほうがよいと思う」

 40代の大手メーカー管理職はいう。

「ウチの会社は営業が接待目的で顧客と会食する際に残業代も出ないし飲食代も自腹。顧客の飲食代だけ経費を使えるが、明らかにおかしい。加えて社内の部署の懇親会的な飲み会も多く、すべて自腹。以前に女性の部下から『部署の飲み会でお酒飲めないのにお酒を強要されるのがツライ』『業務後も時間を拘束されるのは泣きたくなる』と言われたことがあり、私自身も若手の頃から飲み会で時間を浪費させられるのが苦痛だったので、会社として真剣に取り組むべき問題なのではないかとも感じる」

 40代の中堅IT企業役員はいう。

「ウチの会社では管理職に対して『基本的には部下を飲み会に誘ったり、部署の飲み会を開いたりはしないでください』と言っている。飲み会があると、嫌なのに渋々参加する人というのは出てしまうし、アルコールが入ると何かとトラブルが起きやすいので、やるメリットがない。部署やチーム内でコミュニケーションを深める必要がある場合は、業務時間内でもよいのでどこかの店や会議室でお菓子でも食べながら懇談してくれとしている。昼であれば長くても1時間くらいだし、そのほうが業務効率上マシ」