ヨーロッパでゾンビドラッグが蔓延しつつある
2024年4月の時点では、キシラジンはヨーロッパでまだ蔓延していない。しかし、英国では、2022年5月に死亡した43歳男性がキシラジン使用による最初の死者とされている。2022年12月から2023年8月までの期間、キシラジンの使用が確認されたのは16人で、そのうち11人が死亡した。
KCLの研究では 「キシラジンは既に英国の違法薬物市場に浸透しており、ヘロイン市場にとどまらない。ヘロインを使用する人々と麻薬を使用する広範な人々の両方を急性および慢性の健康被害から守るためには、緊急の行動が必要である」と警告する。ヘロインを購入する者たちの多くは、そもそもキシラジンを求めているわけではないにもかかわらず「トランク」を購入させられ、事情を知らずに過剰摂取してしまうという。
EUの薬物専門家は、東ヨーロッパでは既にキシラジンが一般的になりつつあると分析する。2023年6月に発表された「欧州薬物・薬物中毒監視センター(EMCDDA)」の報告書によると、ラトビア・リガで欧州された注射器の13%からキシラジンが検出され、隣国のエストニアでは警察が2022年にキシラジンの押収を開始したという。
米国ではゾンビドラッグが社会問題化し、次期大統領選挙の争点となっているほどだ。ゾンビドラッグによる混乱は、英国をはじめとするヨーロッパに広がり、いずれは日本にとっても脅威となるだろう。成分がよくわからない怪しげな薬物に決して手を出してはいけない。
参考:「POLITICO」、「Sky News」、ほか
文=標葉実則
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提供元・TOCANA
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