ざっくり言うと公有地と私有地が入り混じっていて、いろんな規制がかかっていた状態から、色々と政治的な運動が行われて、規制緩和によってこの計画が実行できる状態に整えられたという経緯があるんですね。
反対派はこの経緯が「強引な密室政治」だと批判している。
また、この「規制緩和をして明治神宮と一体となった再開発をやろう」というのを東京都側があのイメージ最悪なw森喜朗と一緒に発案したように取れる議事録などがあって、だから
「本当は明治神宮側からすれば必要ないのに、東京都と森喜朗が暗躍して、無理やり公有地を切り売りして三井不動産の金儲けのネタにしてしまっている」
…というような批判をしているわけです。
ただ、その「東京都の発案で」という話以前から明治神宮が内苑の維持費に苦しんでいることは周知の事実で、何らかのプランが必要だという話は出回っていたそうなので、東京都が言い出したからといって明治神宮が関係ないとか困ってないとかいう話ではないと私は思います。
それに、「密室政治で公有地が切り売りされた」と思ってる部分も、逆側の立場から見たら、「難しい問題が横たわっていたところ、ちゃんと手回しして落とし所を見つけたのは関係者みんなで頑張ったよね」というふうに見える現象ではあるんですね。
3. 「外苑で切ることが必要な木が多いプランになっている?」という話あともう一個別の論点があって、これも私の最初の記事で詳細に触れていますが、今の再開発プランは「色々と場所を入れかえながら建てて行くプラン」になってるので、必要なく木を切ってしまう部分が多いという批判もあります。
これは明治神宮の収益構造的に「建替え中は神宮球場使えません」というわけにはいかないので、考え出された苦肉の策なんですね。
以下画像のように、今の「神宮第二球場」を解体して(既にかなり終わってるはず)、そこにまずラグビー場を移設し、そのラグビー場跡地に新しい神宮球場を建てて、その「新神宮球場」に移転してから最後に今の神宮球場を取り壊すプランになっている。
同じ場所に全部建て替えるわけではないので、一部に木を切らないといけない部分が出てきて、特に「建国記念文庫」と呼ばれている部分の木々について色々と議論がされています。(以下の図の左上あたりにある小さな三角形の部分です)
これも、反対派はものすごく「鬱蒼とした大事な森」であるかのように主張するし、推進派は「ちょっとした街路樹の集まり」みたいなものという感じの評価で、まあそこは価値観次第だと思います。
私の意見は、「そりゃ切らないで済むならその方がいいけど、全体のプランがここまでちゃんと考えられてるなら、その程度で済むなら仕方ないよね」ぐらいの感じですかね。
「一切の木を切るな!」というのも大変極端な話ですし、あと反対派の人は少しでも木が枯れたりしているのを見つけると全部推進派の問題にしがちなんですが、あの内苑の森ですら樹木病は結構広がっているらしく、適切に手を入れて「入れ替えていく」方が木の本来の姿なのだ、という話もあるそうです。