都知事選の争点になって再度人々の注目を集めている外苑再開発問題ですが、「強引な反対派」の無理のある主張が否定される言論が共有されるようになったはいいものの、なんだか今度は「神宮の私有地なんだよ!これだからアホの左翼どもは!」みたいなちょっと問題のある押し切り方もたくさん聞こえるようになってきて、実際どういうことなのかがわかりづらくなってると思います。

というわけで、過去に何度かコレに関する記事がバズって、TBSの討論番組にも呼ばれた私がこの問題の現在地や、これに限らず日本の再開発をどうしていったらいいのか?という話について掘り下げます。

6月末は都知事選候補3人についての記事をアップしており、先ほどアップした以下の石丸さんについての記事

と、小池さんについての記事

とあわせてお読みください。

小池さん、石丸さんにつづく、蓮舫さんに関する記事の代わりでもあると思っていただければと思います。

1. そんな誤解してるやつおらへんやろぉ・・・と思ったらいるの?

まず、この問題のものすごくものすごく基本的な話ですが結構誤解されてるのは、再開発されるのはあの「内苑の森」じゃないってことです。

いやいや、そんなヤツおらへんやろ・・・って思うかもしれないけど、私がこの問題に関する記事を書いてめちゃバズった時、

「自分もあの内苑の森の事だと思ってました!」

…っていうコメントがSNSで大げさでなく百件近く来たんで(笑)、マジで誤解してる人は今でもたくさんいると思います。

神宮内苑というのは原宿駅とかからアクセスできるあの「鬱蒼とした神秘の森」で、私も最初の最初の時はあの森を再開発して変なショッピングモールを建てるプランなのかと思って激怒してたんですが、全然違うんですね。

むしろ、この開発計画は、明治神宮があの内苑の森の維持費を安定的に捻出するためのプランでもあるんですよ。

明治神宮は宗教団体なので公費が入れづらく、独力であの森の維持費を出し続けていて、それがかなりの負担なことがずいぶん前から問題だったんですね。

詳しい試算とかは最初の私の記事を読んでもらうとして、

あの広大な内苑の森を維持するために明治神宮は年間10億円以上とかかけているらしく、これは明治神宮の売上規模からすると総売上の10%近い額であり、かなりの負担だったんですよね。

そして、明治神宮のその「売上」のメインは「外苑」の方の神宮球場とかの収益が多くあてられていて、ヤクルト・スワローズがこれからもずっとそこを使ってくれるかとか、持続的に改修費用を出し続けられるか?といった色々な懸念点があった。

つまり、今回の再開発によって明治神宮はある程度安定した収益を得られるようになり、将来にわたって内苑の森の維持費用が出せるようになる見込みなんですね。

そしてこの「外苑再開発プラン」も、別にあのアイコニックなイチョウ並木がなくなるわけでもないし、木の本数は全体として見れば増える程度の良識的な案ではあるんですよ。

え? なんか印象違くない? ってなってきましたよね?

問題がゼロではないにしろ、「事業者なりにかなり大真面目に考えて作られた良識的なプラン」だと私は今は思っています。

2. 「私有地だから口だしすんな!」というだけでは済まない理由は一応ある

一方で、もちろん「ガチ反対派」の人は、内苑の森と外苑の森を間違えてるわけでは当然ないし、あと最近SNSでよく言われている、「明治神宮の私有地なんだから口出しすんな!」というロジックも一応は反対派なりに言いたいことはあるんですね。

というのは、「外苑全体」の中には明治神宮の私有地でない部分も含まれていて、例えば一緒に建替えられる秩父宮ラグビー場はJSC(独立行政法人日本スポーツ振興センター)という公共団体の所有だからです。

そして、私がTBSの番組に出た時のまとめ記事↓で詳細は書いていますが、