競争相手がいなければ集客は簡単になる

たとえば私の場合、セミナー講師をはじめたばかりの頃は「残業ゼロの会社員」という肩書きで活動していました。ラッキーなことに、当時はまだ働き方改革が浸透する前で、長時間労働が珍しくない時期でした。今ではそう珍しくないかもしれませんが、当時は残業ゼロを実践している会社員というのはかなり少なかったと思います。

そのうえ、タスク管理や仕事術を教えている人物となればさらに少ない状況でした。「残業ゼロを実践する会社員が教えるタスク管理」──これが私のセミナーの切り口・企画だったわけですが、当時この企画でセミナーを開催している人は私が知る限り存在しませんでした。

その結果、私の有料セミナーデビューはありがたいことに満席となりました。その後も少人数制のセミナーを開催していきましたが、集客に困ることはありませんでした。

私のデビューがうまくいったのは企画以外にもさまざまな要素があったのは間違いありません。ただ、他のセミナーにはない切り口・企画でセミナーを開催することの大切さは、わかっていただけるのではないでしょうか。

当時、タスク管理のセミナー自体は珍しくありませんでした。私の師匠である大橋悦夫さんをはじめ、フリーランスの方で教えている人は何人かいたわけです。

しかし残業ゼロを実践している現役会社員でタスク管理を教えている人となると、おそらく私だけだったと思います。当時の私は競争相手がいなかった。だから集客に困らなかったのです。

この「競争相手がいない」というのが集客の一番の秘訣なんですね。なのでセミナーの企画を考える時は、皆さんのセミナーが他のセミナーとどう違うのか。この点を深掘りして表現することが大切です。そのために次の質問を自分にしてみてください。

・皆さんの(他の講師と異なる)ユニークな点はどこですか? ・他のセミナーでやってないこと・テーマで教えられることはありますか?

これらの質問に対する答えに着目して企画を考える。これが集客ができるセミナーを作るはじめの一歩です。

自分のテーマと今旬なテーマをかけあわせる

もう一つ、企画について大切なことがあります。それは今旬なテーマを選ぶことです。例を使って説明しましょう。以前ある人と一緒にコラボセミナーを開催しました。その方の実績も十分でしたが、残念ながら集客できた人数は2人でした。

その後、その方がChatGPTの活用法をテーマにセミナーを単独で開きました。そうしたところ、10名以上参加者を獲得していたのです。このように、旬なテーマ・今多くの人が関心のあるテーマを切り口にセミナーを開催すると、集客がしやすいのです。

この前後2つのセミナーで言えば、講師の実績は私が加わっていること以外、何も変わっていません。にもかかわらず、集客できた人数に大きな差が生まれたのはなぜか。企画の差以外に考えられないわけです。

本書執筆時点でもそうですが、ChatGPTの活用法については多くの人が興味がある。だから集客できた。とてもシンプルですよね。このように、「世の中の人が今関心をもっていること、流行っていることをテーマに自分が何か教えられることがないか考えてみる」のが大切です。

これができればより簡単に集客ができるようになります。たとえば私の場合、ChatGPT を使ったタスク管理法というテーマでセミナーを開催すればかなり簡単に集客ができるでしょう。これは1つの例ですが、自分のもってるテーマと今旬なテーマをかけあわせることができれば二重丸なわけです。