まるで映画のセット!? 広大なスケールで蘇ったマッドマックス2に出てくるあの製油所『セブンシスターズ・ペトロリウム』

 現在、絶賛公開中の映画「マッドマックスシリーズ」の最新作 『マッドマックス:フュリオサ』。
そのアポカリプトな世界観の始祖となったのがシリーズ2作目となる『マッドマックス2(原題:ザ・ロードウォーリアー)』 であろう。
今回のこの【MADMAX2 Celebration , 40Years of Mayhem(マッドマックス2 セレブレーション 40イヤーズ オブ メイヘム(騒乱)】… 本来であれば劇場公開された1981年からちょうど40年の節目を迎える2021年に開催される予定だったのだが、新型コロナの影響により延期となり、翌2022年に現地オーストラリア国内の参加者をメインとしたプレ開催を経て、この2024年の3月。ようやく正式開催される運びとなったのだ。
今回オーストラリアはもちろん、隣国ニュージーランドやアメリカ、イギリス、ドイツ、フランスそして日本…と世界各国から熱烈なマッドマックスファンたちが集まり、参加総数は200名以上!また、今回一番の見所は「シルバートン・アウトバック・キャメルズ」内に建築された“あの製油所”…正式には
『セブンシスターズ・ペトロリウム』と呼ばれ、映画内では世界7大石油会社が保有していた製油所という設定となっており、約80%サイズで建造されたココがイベントメイン会場となったのだ!

今回のイベント主催者である「スティーヴ・ショルツ」氏。
彼の本業は地元オーストラリアに店を構える「タトゥーアーティスト」なのであるが、そんな彼が一体どの様な経緯で『MADMAX』にハマり、またこの巨大施設を完成させたのだろうか?
現地及びSNSを通じて、今回のイベントの詳細を聞かせてもらった…

<スティーヴ・ショルツ談>
「私が『マッドマックス2』を知ったのは80年代初頭でした。当時、スター・ウォーズに夢中だった私は“オーストラリアのスター・ウォーズ”として宣伝されていたマッドマックスシリーズに腹を立て、観る事を“一切拒否”していました。今考えると、それらは完全なる私の過ちでした(笑) 
地元・田舎のドライブインシアターでマッドマックス2は上映されており、私は父の旧いフォード・XAファルコンに乗って観に行き、そして完全に“正気”を失いました…
私は略奪者たちに追われる事を“妄想”しながら猛スピードで家へと帰り着き、生きて帰って来られた事を神に感謝しました(笑)
その後、悪役:WEZ(ウェズ)のコスプレなどでファン活動に勤しんでいましたが、今回のこの製油所建設計画は『マッドマックス2ミュージアム』 の館長である“エイドリアン・ベネット”氏の個人的な“使命”でもありました。
当初、この『マッドマックス2・40周年記念イベント』の為に一時的な組織を作る事について話し合いましたが、多くの問題が発生し、残念ながらそれらは不可能となりました。しかし、この土地の所有者である『シルバートン・アウトバック・キャメルズ(ラクダファーム)』のペタ氏は建設する為のスペースを提供してくれ、またエイドリアン氏は多くのブロークンヒルの有力者たちと既に約束を取り付けており、この壮大な計画の実現に向けての支援に彼らはとても積極的でした。
様々な方々から多くの助けを得ましたが、最終的には彼(エイドリアン)の“情熱”が決め手だったと思います」

尚、この「セブンシスターズ・ペトロリウム」は、ブロークンヒル/シルバートン地域周辺の農場などから出た大量の廃材を利用して建てられており、タイヤは鉱山会社から寄付されたもので、入口のスクールバスも同様との事。
汲み上げ式ポンプや蒸留塔、パイプラインや石油精製機などスティーヴ氏曰く…
「これら造形への“こだわり”は細部に至るまで見逃される事はなかった」と語る。
劇中そのままの雰囲気を醸し出す、ファン待望の【製油所】は、こうした経緯で生まれたのである…。