これ以降、石丸氏から執拗に「山根議員の恫喝発言」について議会の内外で発信が為されました。これを受けて山根議員が石丸氏個人と安芸高田市を提訴した、というのが「石丸市長「恫喝」訴訟」と呼ばれているものです。

より具体的に言うと、「令和2年9月30日の安芸高田市議会全員協議会終了後の意見交換会(本件においては意見交換会含めて全員協議会と言うこともある)において、山根議員=やまね温子議員が、石丸氏に対して『議会を敵に回すと政策が通らなくなりますよ』という恫喝発言を行った」という内容のX投稿が為されたことによる名誉毀損、上記投稿が安芸高田市議会議員選挙期間中に行われたことによる選挙妨害、11月13日以降*2に執拗に追及したことが名誉毀損以外の不法行為であるとして、石丸氏個人に500万円の損害賠償を求めたものです。

また、やまね議員から安芸高田市に対して、上記行為は市長として行ったものであるため、市が責任を負うとして330万円の損害賠償を求めたものです。

結論から言うと名誉毀損として後者の請求が認められて33万円の賠償命令が為されています。

「居眠り議員」指摘投稿:脳梗塞の症状による意識喪失だった

本件の前提として、石丸氏が令和2年9月25日にX上で「居眠り議員」への指摘投稿(※現在削除済み。)を行ったことについての騒動があります。同年9月30日の全員協議会後の意見交換会は、これを受けて行われたものです。

「居眠り」とされたものについては、実際は脳梗塞の症状による意識喪失だったとして議会としての今後の対応が示されています。

議会運営に関するお詫びと今後の対応について(12月7日追記) | 安芸高田市

(1)居眠り

居眠りを即座に注意しなかったこと、この度の居眠りは「病気が原因となる意識の喪失」であったことから、体調不良時等の対応を含めた対策が必要。

恫喝の真実性なし:広島地裁令和3年(ワ)628号、令和3年(ワ)1006号

広島地裁令和5年12月26日判決 令和3年(ワ)628号、令和3年(ワ)1006号では、恫喝の真実性・真実相当性が無いとされました。

石丸氏は意見交換会時の自身のメモに、やまね議員の名の記載に続いて「対立-政策-敵」とあることを証拠として挙げていましたが、意見交換会の一部について録音データが残っており、それを参照する限りは「敵に回すなら政策に反対するぞ」という発言の事実は認められず、「恫喝」と言える事実も認められないとされました。

議会、やまね議員の認識は以下で公開されています。

議会運営に関するお詫びと今後の対応について(12月7日追記) | 安芸高田市

(3)恫喝に対する議会の対応

恫喝に関するコメントやツイートは、当初、会議以外の場で行われた個人的な発言に対するものの可能性があり、確認が難しいために議会のコメントを控えておりました。その後、市長から提言を受け、9月30日に開かれた全員協議会で、数名の議員から「議会の批判をするな」「選挙前に騒ぐな」「敵に回すなら政策に反対するぞ」「夜道には気をつけろよ」といった趣旨の発言がなされたか、確認いたしました。 恫喝は発言内容にかかわらず、受けた側が感じた時点で恫喝になるとの認識が必要との意見があったものの、上記のように威圧的と感じる発言はなかったことを確認し、市長に回答をしております。

市長のコメントに対する説明 | やまね温子オフィシャルサイト

そうです、議事録を読めばわかるはずと私も思います。私がそういう発言をしたと事実を認めていると言われますが、私は、市長が議会から言われたという「議会の批判をするな」「選挙前に騒ぐな」「敵に回すなら政策に反対するぞ」の言葉を指してそういう発言と言われているのであれば、どの言葉も発言しておりません。もちろん発言の事実がないので認めてもいません。

なお、全員協議会後の意見交換会の音声として訴訟資料になったものは恫喝問題に関わる資料、音声 | やまね温子オフィシャルサイトにて公開されており反訳文もあります。

音声記録(R2.9.30)の反訳書 | やまね温子オフィシャルサイト