今年はリネンが当たり年と言われていますが、毎年夏になればリネンというのはお洒落な男性なら定番アイテムではないでしょうか。戸賀編集長にとってのリネンシャツも、大先輩からの教訓とともに「男の定番服」としてあるのだそうです。
リネンはシワを楽しんでこそ by徳大寺有恒
▲ タリアトーレ / コットンメッシュ ジャージー メタル6B ジャケット ¥110,000(税込)
▲ マリア・サンタンジェロ / リネン ワイドカラー シャツ ¥39,600(税込)
▲ インコテックス / CHINOLINO ノープリーツ パンツ ¥52,800(税込)
▲ アンダーソンズ / ドレスベルト(カーフ) ¥24,200(税込)
メタルボタンのジャケットに、あえて同系色のリネン混パンツをあわせ、サックスブルーのリネンシャツはノータイで胸元のボタンは2つ開け。こんなシンプルなスタイリングがさらりと決まるのは、リネンという素材ならではかもしれません。
「この時季、暑くてジャケットは着てられないけど、できればジャケットを脱ぎたくないのが本音。だってコットンのドレスシャツって、びしっとアイロンかけてから着ても、どうしてもシワシワになっちゃうから。ジャケットを脱いだときに、一気にみすぼらしく見えちゃう。だからリネンのシャツ。シワは入るんだけど、それが味になるシャツってリネンしかないよね」
1日中着ていたら、どんなシャツでもシワになるものですが、たしかにコットンのシワはゴワっと強く出ちゃいます。対してリネンのシワって、ホワホワと小さく細かく出るので、素材感とあいまってなんとなく軽さを感じさせますよね。しかも汗をかいたとき、コットンのシャツは肌に張り付くので不快感が否めませんが、リネンのシャツはさらっと肌離れがよいので着心地がいいし、乾きやすいのも特長かと。
「『リネンはシワを着るものだ』って、若い頃に編集担当していた自動車評論家の徳大寺有恒さんに教わったんだ。シワを楽しむための服であり、大人にこそシワがカッコよく見えるんだって。リネンのシワって、ちょっと枯れてきた大人の肌感とも合うからね」
そう言いながら軽く袖口を2つ折り返して、ソファで寛いていたジャケットを手にする戸賀さん。その所作の一挙手一投足が、まるでリネンのように自然な立ち居振る舞いです。なるほど、リネンって着る人をより優雅にエレガントに見せてくれる素材なのかもしれません。
リネンは大人の余裕を感じさせます
▲ マリア・サンタンジェロ / リネン ワイドカラー シャツ ¥39,600 (ホワイト/ブルー/ピンク、ベージュ/ブラウン)
今日の戸賀さんのシャツはナポリの名門、マリアサンタンジェロのワイドカラーリネンシャツ「MARCO」。カラーバリエーションは戸賀編集長が着ているブルー以外にピンクとブルー、ホワイト、ブラウンが入荷しています。
「タイドアップはもちろん、ノータイもサマになるのはバランスのよい衿型だからこそ。そのうえ身幅をほどよく絞ったSLIM FITは、シャツイチ姿もサマになるよね」
「神は細部に宿る」とあって、袖付け・サイドガゼット・ボタン付け・剣ボロのカンヌキ留め、この4箇所はハンドで仕上げてあります。ちなみに素材はイタリアのリネン生地専業メーカー、ヴィットーリア社のリネンゆえ、透け感がなくて上品な風合いです。これならビジネスにも着ていけそう?
「もう古臭いビジネスのドレスコードを語るつもりはないけれど、仕事相手がリネンのシャツを着ていたら余裕あるなぁって感じがするよね。安心して任せられるなとか、技術力とか実行力があるんだろうなとか。経営がうまくいってる感じがするし。懐の深さも感じさせる」
たしかにビジネスでリネンのシャツって、焦りを感じさせないですね。クルマのディーラーで営業担当者がしわしわの綿のシャツで名刺出してきたら、「うわぁ、ノルマに必死なんだろうな」って思っちゃいますけど(笑)、リネンシャツだったら、この人にまかせておけば大丈夫なんだろうっていう感じがします。大人の余裕って、服で伝わりますもんね。
Producer:大和一彦/Photographer:鈴木泰之/Writer:池田保行 (ゼロヨン)/Designer:中野慎一郎
提供元・JPRIME
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