「見られても恥ずかしくない」という考え方は間違い?
車内で着替えをする際は、前述したような目隠しをするなどして外から見えないようにする人がほとんどです。それは「見られたくない」という心理でいることがほとんどと考えられ、特に女性はその傾向が強いようですが、いっぽうで男性はそこまで「見られたくない」という意識は強くない傾向にあるようです。
しかし、「外から見えないようにする」のは自身のプライバシーのためになることはもちろんなのですが、法的には「他の人を不快にさせないため」にしなければなりません。十分な目隠しをせず車内で着替えをし、周囲の人からそれが見えてしまうような場合は「公然わいせつ罪」や軽犯罪法違反となる場合があるようです。
公然わいせつ罪は刑法第174条で「公然とわいせつな行為をした者は、6月以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。」と定められていて、軽犯罪法の第二十条では「公衆の目に触れるような場所で公衆にけん悪の情を催させるような仕方でしり、ももその他身体の一部をみだりに露出した者」を軽犯罪法違反と定めています。
走行中、停車中に関わらず、路上や一般道に面している駐車場など、車内が他人からも見える状態であれば、そこは「不特定の人や多数の人の目に触れる場所」となるため、車内で裸になるなどの行為は本来は禁止。車内での着替えで下半身など身体の一部が露出する場合は、他の人の目に入らないよう十分に対策をしましょう。
「見られても気にしない」と自分が思っていたとしても、周りの人にとっては「見たくないもの」かもしれません。「不特定の人や多数の人の目に触れる場所」であれば「見るほうが悪い」という言い訳は通じず、実際に車内で着替えていた男性が逮捕されたという事件も過去に発生しています。