上院は2週間の休会に入ったため、上院議会のみです。夏の長期休会まであと少し。


先週の米議会を振り返り、今週の下院

先週は下院が休会だったので、上院のみ。

判事・政府高官の承認を除き、投票があったものは2件。

1)Fort Belknap Indian Community Water Rights Settlement Act of 2024

フォートベルナップインディアン居留地における水利権に関する法案は全会一致で可決した。ただしこれは下院ではまだ審議もしていない※1)。

2)S.870 – A bill to authorize appropriations for the United States Fire Administration and firefighter assistance grant programs, to advance the benefits of nuclear energy, and for other purposes.

Fire Grants and Safety Act(S.870)に、原子力発電の導入を促進するためのAccelerating Deployment of Versatile, Advanced Nuclear for Clean Energy Act(通称:ADVANCE Act)が盛り込まれて可決した。

上院は賛成88票となり、反対はたった2票(サンダース上院議員・マーキー上院議員)となった。下院は既に可決しているので、バイデン大統領の署名待ち。署名するとは宣言していないがおそらく署名すると思われる。

ADVANCE Actを推進したカーパー上院議員(民主党)は、この法案が成立することで米国のクリーンエネルギーである原子力発電の導入が促進されるとしている。二酸化炭素を排出しない原子力発電は、気候変動に関する目標を達成するのに欠かせない役割を果たすとも説明している※2)。

同じく法案を推進したキャピト上院議員(共和党)は、 アメリカの将来にとっての原子力の重要性を米議会が認識したことを示す超党派法案であり、原子力技術への技術革新と投資を促進すると述べている※3)。

具体的には以下の内容が盛り込まれた※4)。

新しい原子力技術の認可プロセスをスピードアップする方法を検討するようNRC(原子力規制委員会)に指示。 先進的原子炉の認可を受けようとする企業の規制コストを削減するとともに、次世代の原子炉技術の導入に成功した場合にインセンティブを付与。 NRCに対し、先進核燃料の認定・認可能力を強化するよう指示する。 他国における先進的原子炉の開発を支援し、先進的原子炉の規制を策定する国際フォーラムでNRCが主導できる権限を付与。