マニアが思わず唸った「いらすとや」使用例3選
そんな街中の「いらすとや」使用例。三浦さんが特に印象に残ったものを教えてもらうと、その深い魅力の片鱗が浮かび上がってきました。
―― 文字を使わず、「いらすとや」だけでメッセージを伝える
「利用者へのお願いや案内など、何か伝えたいメッセージがある時に文字に添えられて使用されることが多い『いらすとや』ですが、東京都調布市の公園で見かけたケースでは、文字を一切使わず、イラスト素材だけでメッセージを伝えています。『いらすとや』の柔らかさと分かりやすさに全幅の信頼を寄せている、非常にレベルの高い使用例ですね」(三浦さん)
―― 伝えたいメッセージに合わせて、「いらすとや」の素材をリミックス
「『いらすとや』では、元の素材の雰囲気を壊さない範囲で加工することが認められているので、伝えたいメッセージに応じて“リミックス”するケースもあります。東京都江東区の海浜公園で見つけたこちらの例では、『耳掃除を嫌がる子供』の素材から綿棒をトリミングすることで『バイクの騒音に耳をふさぐ少年』の姿を作り出しています。街中の“いらすとやクリエイター”の仕事が光る例ですね」(三浦さん)
―― マニアックすぎる素材がニーズにぴったりハマった事例
「『いらすとや』の特徴であり、愛される理由のひとつに『いや、絶対に需要ないだろ!』『いつ使うんだよ!』と突っ込みたくなる“謎素材”の存在があると思いますが、東京都荒川区日暮里で見かけたケースでは、皮材料専門店の軒先に使われていました。ネタでしかないと思われていた素材も、実は誰かのほんのわずかな需要をこぼすことなくすくい上げていることに気づいて、あらゆるニーズに応える『いらすとや』の真髄を見ました」(三浦さん)