240Zにその座を奪われるも、かえって伝説的存在に
高回転型のS20がダメでも、輸出向けの240Zが積むL24なら大排気量の恩恵で低中回転域からのトルクが太く、DOHCではなかろうとも扱いやすくて安定した速さを発揮できる…それは国内で240Zを販売する以前のレースでも証明され、Z432は本来の目的を失います。
しかし、レースで活躍の場を失ったとはいえ高性能バージョンの看板は降ろさず、2代目スカイラインGT-R(KPGC110)と同じく排ガス規制を乗り切らなかったS20が使えなくなる1973年まで、Z432の販売は続きました。
モータースポーツでの栄光やGノーズを与えられたのは240Zでしたが、Z432、特にレース用のZ432Rは後の旧車ブームで「幻の高性能車」のように扱われて人気となり、240Zと並ぶ人気を得るに至っています。
近年のモーターショーやオートサロンにおけるヒストリックカー展示でも、サファリラリー仕様の240Zのほか、オレンジのボディに黒ボンネットのZ432Rを見た人も多いのではないでしょうか。
高回転域の振動で活躍できなかった悲劇のエピソードも、「プリンスの血を受け付けなかった日産純血のZ」として、Z432のドラマ性に一役買っている気がします。
※この記事内で使用している画像の著作者情報は、公開日時点のものです。
文・MOBY編集部/提供元・MOBY
【関連記事】
・【新車情報カレンダー 2021~2022年】新型車デビュー・フルモデルチェンジ予想&リーク&スクープ
・運転免許証で学科試験の点数がバレる?意外と知らない免許証の見方
・今一番危険な車両盗難手口・CANインベーダーとは?仕組みと対策方法
・SNSで話題になった”渋滞吸収車”とは?迷惑運転かと思いきや「上級者だ」と絶賛
・トヨタ 次期型ノア&ヴォクシーに関する最新リーク情報すべて