Silalの農家への貢献

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Silalは地元の農家と協力し、農産物を生産してからそれを市場に供給するまでのプロセスを効率化している。

たとえばSilalはAI、IoTを活用したスマート農業技術を駆使して農業生産性を向上させている。これにより、作物の生育状態をリアルタイムでモニタリングし、必要な対策を迅速に実施することが可能となる。

加えて、農業者に向けたリアルタイムの気象警報やカスタマーサポート機能を提供するSilalアプリをはじめ、盤石なバックアップ体制を築いている。これらが農家の経済的自立支援へ繋がり、地域経済の発展にも寄与しているのだ。

さらにSilalは、地元農家に対して技術的支援や教育プログラムも提供。同プログラムで農家は最新の農業技術を通じて、スキルを磨くことができる。

Silalの活動を支えるインフラ

今年2月、Silalはカリファ科学技術大学と共同で農業ロボティクスセンターを設立する計画を発表した。アブダビのアルアインにあるSilalのイノベーションオアシスにて、ロボットプラットフォーム、センサー、IoTインフラを備えた自律型温室を設置するという。

同センターでは、AI駆動のロボットプラットフォームを用いた作物監視を研究し、早期の病害検出や化学物質の使用削減を目指す予定だ。

さらにSilalは5月にUAEで最大規模の自動化パックハウスをオープン。パックハウスとは、収穫後の農産物を選別、洗浄、パッキング、保管する施設だ。

広さ14,000㎡にも及ぶSilalの巨大なパックハウスは、自動化システムを用いて収穫後の作業を効率化することで食品の品質を保ち、流通過程での劣化を防ぎ、廃棄物を削減しながら最適な取り扱いを目指す。なお、Silalの作物の65%がこの自動化パックハウスで処理されているという。

QRコードで作物の輸送経路を追跡可能に

Silalは農業従事者のみならず、一般消費者にも身近な存在として寄り添っている。昨年、同社は消費者が農場からフォークまでの食品のライフサイクルを追跡できるよう、ブロックチェーン技術を導入した。消費者は、Silalアプリ上で製品のQRコードをスキャンすることで、作物の原産地や輸送経路に関する情報を得られる。

この取り組みは、画面に表示されるデータが信頼できるものであり、改ざんされていないことを消費者に保証するものだ。

食料供給の透明性を高めることで製品の品質を保証し、効率的な供給を維持し、食中毒の予防や問題発生時の原因特定が可能になる。これによって食の信頼性が高まり、消費者の信頼と忠誠心を獲得することにも繋がっているという。