世界一のプラネタリウムで映せる星の数は7億

そのプラネタリウムがあるのは、横浜市磯子区にある「はまぎん こども宇宙科学館」です。この科学館では2022年にプラネタリウムをリニューアルし、「はま銀河」という愛称がつけられた新しい投影機「MEGASTAR-IIA」を導入しました。

この新しい投影機は、およそ12億個の星を映し出すことができるため、ギネス世界記録に挑戦しました。ところが、肉眼では見分けられないような小さな星まで映し出すため、今までの方法ではすぐに記録を判定することができず、およそ2カ月にわたって、専門家である2人の天文学者が検証作業を実施しました。その結果、少なくとも7億個の星が投影されていることが認められて、2023年にギネス世界記録に掲載されました。

ちなみに、このプラネタリウムで投影される星の数は7億以上ですが、現在望遠鏡で見えている星の数は700垓あるそうです。1垓は1兆の1万倍のさらに1万倍なので、700垓というのは途方もない数ですね。

宇宙にも天気予報がある

宇宙という広大な領域にも、実は天気が存在します。宇宙における天気というのは、太陽フレア、磁気嵐、太陽風、オーロラ活動などの変化のことです。日本では国の組織である情報通信研究機構内にある宇宙天気予報センターが、その予報の役割を担っています。

ある日の宇宙天気予報を見てみましょう。「太陽活動は活発でした。引き続き今後1日間、太陽活動は活発な状態が予想されます。地磁気活動は穏やかでした。今後1日間、地磁気活動はやや活発な状態が予想されます。電離圏は乱れた状態でした。」などといった情報が毎日公表されているとちょっと驚くのではないでしょうか。

宇宙の天気の変化も私たちの生活に様々な影響を及ぼすため、天気予報は必要なのです。たとえば、磁気嵐が起きると人工衛星や無線通信などに影響が出ることがあります。特に宇宙天気予報を必要としている分野が、航空機の運用です。北極や南極付近を飛行する際には宇宙天気の影響を受けやすいので、予報によっては航路を変えることもあるそうです。