今年4月から5月にかけて東京都が主催したSusHi Tech Tokyo 2024。5月15・16日の2日間にはグローバルスタートアッププログラムが東京ビッグサイトで行われ、世界各国から400社近いスタートアップが集まった。
開催国日本の出展企業が最も多く150社超、ついで台湾と韓国がそれぞれ46社、45社だった。韓国のスタートアップMeissaのブースで、グローバルビジネス開発マネージャーのキム・サンヒョン氏に話を伺うことができた。
Meissaは、自社開発の3Dドローンマッピングエンジンにより、建設現場などでデータを収集・分析するプラットフォームを展開するスタートアップ。2017年にソウル大学内で設立され、現在Cラウンドの資金調達を進行中だ。
オフィスから建設現場の状況を把握
――Meissaの事業内容について簡単にお伺いできますか。
キム:当社は建設現場向けソリューションを展開しています。工事現場でドローンを飛ばして、そのドローンが自動で現場を撮影します。その撮影した通常の2D画像を、当社のソリューションが自動で分析して「2Dオルソ画像」と「3D点群データ」を生成するというものです。
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Image Credits:Meissa
たとえば、Google Mapを航空写真モードで見ると、どこかひずみがあり、建物の側面が見えていますよね。これを“現場と完全に一致する”2Dオルソ画像に分析したものがこちらになります。
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Image Credits:Meissa
キム:はい。そして、こちらが3D点群データになります。点の1つ1つが、座標情報を持っているものです。
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Image Credits:Meissa
キム:(笑)このデータに測定ツールを利用して、長さや体積、面積を測定したりします。
――現場で測量しなくても、いろいろ把握できるということですか。
キム:そうですね、誤差はあっても5センチぐらいなので、結構役に立ちますね。建築現場で1週間に1回といった頻度で撮影するだけで、遠隔地から進捗状況を把握できるんです。作業の遅れや間違いも、現場に行かず本社にいながら確認できるという遠隔モニタリングです。
同社のソリューションの場合、ドローンの扱いに慣れてなくても不安はない。ドローンの飛行経路を、同社のドローン制御専用アプリ「Meissa Flight」によって設定できることで、初心者でも簡単にドローンを操縦できるのだ。この使いやすさが導入先からも好評の様子。また、Meissaのドローン専門家が直接現場で飛行トレーニングも行ってくれるという。
取得したデータを活用するソリューション「Meissa Platform」もまた優れたUXが特長である。数回クリックするだけで、土工量算出や断面図、土工横断選などの測量成果物を正確に確認できる。ドローンが撮影できない屋内のデータは、CCTVカメラや360度カメラとの統合で取得する。最新の現場地図にCAD図面やBIMなどのデータを重ねて、正確な施工管理が可能となる。定期的に取得した現場データはすべてクラウドにアーカイブされる。