工具というと男くさい印象がして女性に敬遠されがちですが、この博物館は中も木の香りが漂い自宅にいるかのような落ち着いた気分にさせてくれるとても居心地のいい空間で、女性にも人気です。工具は見ずともここでずっと座ってのんびり語らっていたい。そんな気持ちにさせられます。実際私も工具に関しては素人ですが、この空間がとても気に入って足を運んでいます。

講演会などにも使用される地上階のオープンスペース。屋根は船底天井。

とはいえ折角来たのですから、工具館の中も廻ってみましょう。吹き抜けに構えるのが原寸大の唐招提寺の柱。竹中工務店は同寺の平成の解体修理に携わってきました。

鉋(かんな)にのこぎり、鑿(のみ)に金槌。これだけならぶと圧巻です。のこぎり一つにしてもいろんな種類があるものです。

こんな鉋みたことない。ものすごい大きな板を削るんでしょうね。鉋屑でさえ薄い布地のようで美しい。

お酒の入った瓶を貫く矢。矢は継いだわけではありません。さて、どうやって作ったんでしょう。考えてみてください。

こちらは和の技術を結集した茶室の模型。日本独特の美しく機能的な建物の素材や造りを建物に上がって肌で感じ取ることができます。

職人が木に直接書いたメモ書きもリアルです。