92年式300E-24(W124)、走行は3万9000キロでボディカラーはブルーブラックという極上コンディションの個体と、メルセデス・ベンツの『オールタイムスターズ』というサービスを介して巡り合った戸賀編集長。
『オールタイムスターズ』では、いつの時代のモデルであっても、純正パーツを使ってリフレッシュ、リファインすることができるだけでなく、メルセデス・ベンツのオフィシャルのサービスということもあって、メルセデスが長年にわたって培ってきた技術を使いながら、フルオリジナルに近い状態にまで戻すことも可能だといいます。
中古車をあまり好まなかった戸賀編集長も、この『オールタイムスターズ』が扱うクルマが持つクオリティの高さを目の当たりにし、さらに担当である森進太郎さんの熱いプレゼンを聞きながら交渉を進めていくうちに、ついに購入を決意。
現在は『オールタイムスターズ』での作業が進められている状況ですが、作業が終了するまでの間、あらためてネオ・クラシックなメルセデス・ベンツの魅力、そして現在の相場について、オールタイムスターズの森進太郎さんにお聞きしてきました。 ※聞き手は引き続き、菅原(スガ)が務めさせていただきます。
――ついにトガが購入を決めました! そこで今回は、あらためて森さんに、W124の魅力、そして現在の相場などをお聞きしながら、さらにJ PRIMEの読者の方たちにも、ネオ・クラシックに興味を持っていただこうと目論んでおります。
森さん こちらこそ、よろしくお願いいたします。戸賀さんにおススメしていた92年式の300E-24は、本当にコンディションの良い個体でしたので、ぜひご購入いただきたいと考えていました。戸賀さんにご購入を決めていただけたことで、かなりホッとしております。
――作業はどの程度進んでいるのですか?
森さん 基本的な作業、タイヤ、ゴム部品、機関などには一通り手を入れております。現在は戸賀さんがお考えになられている状態に近付けている段階ですので、詳しくは次回にということでご勘弁いただけると助かるのですが(笑)
――もちろんです。完成を大人しく待たせていただきたいと思います。今回はW124を始めとする、ネオ・クラシックなメルセデスの魅力、そして現在の相場についてお聞きしたいと考えています。
ネオ・クラシックの魅力、その1「日常の足として使える」
森さん 承知いたしました。前回の時にも答えさせていただいていますが、まずあの頃のメルセデス(W124だけでなく)は、現在の道路事情にも耐えうるだけでなく、エアコンも装備されていますので、日常の足として使えるクルマだと我々は考えています。さらに最後の機械式のメルセデスというのも大きな魅力です。こういう言い方をしてはいけないのですが、メルセデスが本当にメルセデスらしかった最後の時代のモデルだったと個人的には思います。たとえば、スー―――っと切れていく、リサーキュレーティングボール&ナット式のステアリングの感触、シフトレバーをカカカカっとドライブに入れ、サイドブレーキをガチャンと解除するまでの一連の儀式などは、まさに「自分は今、メルセデスに乗っているんだ」という特別な気分にさせてくれます。今のクルマでは薄くなってしまったそういった部分も、ネオ・クラシック、我々で言うヤング・クラシックなクルマだけが持つ魅力だと思います。
――リサーキュレーティングボール&ナット式のステアリングの感触、森さんのクルマオタクの一面が垣間見えた気がします(笑)。これはメカニカル的な話しではないのですが、この間トガが購入を決めた300E-24を見た時に、自分の記憶の中にあったEクラスより、かなり小さかった気がしたんですよ。前からあんな大きさでしたっけ?
森さん 確かにボディサイズは現行のEクラスより一回りは小さいですね。W124のボディサイズは全長で4740mm、全幅1740mm、全高1445mm、車重1540㎏となります。ちなみに現行Eクラスは全長4960mm、全幅1880mm、全高1470mmで車重が1880㎏(※E 300 Exclusive)ですから、当時のSクラスであるW126の全長5020mm、全幅1820mm、全高1430mm、車重1720㎏の方が近い。車重も、今より安全基準が厳しくない時代でしたので、現代のクルマと比べれば、かなり軽いですね。
ネオ・クラシックの魅力、その2「五感に訴えかけてくる」
――なるほど。実際にボディサイズは小さいんですね。でも、小さいのにドアを閉める時には「ドムッ」という音のなかに、キャッチがロックする時の「ガチャ」が混ざる、メルセデス独特の重厚な音がする。僕的には、現代のクルマには無い、あの当時のメルセデスのドアの開閉音が、本当にたまらなく好きなんです(笑)。
森さん あのドアの音を聞くために、何度も開閉を繰り返す方もいらっしゃいますよ(笑)。音もそうですが、私は、車内の香りに魅力を感じます。戸賀さんの300E-24の室内も、当時のままのメルセデスの香りが残っていますよね。香りで当時の記憶が蘇ってくるというのも、ネオ・クラシックならではの魅力かも知れません。
でも、やっぱり気になるのは、現在のW124系の相場 ――かなりオタクな話しになってしまいましたが、ここで方向修正して、現在のW124系の相場感についてお聞きしたいと思います。前回、価格は上がってきているというお話は聞きましたが……。
森さん まずは、500E(ミディアム 1992、93モデル)、E500(Eクラス 1994、95モデル)からお話をはじめましょうか。こちら、現在市場に出回っている価格は、600~1,500万円といったところです。オールタイムスターズ(以下ATS)で販売する場合、その中心価格は950~1,300万円となります。他のモデルと違い、マニアックなポルシェファンの方からの問い合わせが多いという特徴があります。やはりこれは、クルマの生い立ちからでしょうか?また、スポーツモデルに多いのですが、走行距離によって大きくお値段が変わることがあります。 走行5万Km以下の個体ですと1,200~1,500万円くらい。走行不明、もしくは17、18万Km以上走行している個体で600万円くらいから。10万Km以下の個体で800~1,000万円ほどが買い取り額となります。また、1995年の限定車リミテッドは高値で取引され、5万Km以下の個体が出てきたら1,700~1,800万円くらいはいってしまうでしょうね。さらに、AMGモデル、”6.0”、E60が市場に出てきたら、こちらは2,500~3,000万円くらいの値が付くんじゃないでしょうか?
――やはり500E、E500は人気なんですね。
森さん やはりポルシェが関係していることが要因でしょうね。そこでねらい目としては、「走行距離が10万Km以上でインテリアの状態が良い個体を手に入れて、機関、足回りをリフレッシュして乗る」という方法が考えられます。リペアでもある程度イケますが、インテリアの部品はなかなか出てきませんので、最初から状態の良い個体を探すのが得策です。コレクターズアイテムとしてであれば、「距離が少ない車を」というのもわかるのですが、どうしても高価になってしまうので、私どもATSとしては、多少距離が出ていてもリフレッシュをして900~1,000万円でお出しできる様な個体を、これからは用意していこうと考えております。
――なるほど。走行距離が多くてもオールタイムスターズなら、メルセデス・ベンツが保証するリフレッシュを受けることができる。しかしインテリアのパーツは手に入れることが難しいので、インテリアの状態の良いものを見つけるのが正解という訳ですね。これは、500E、E500を手に入れたいと考えていた方たちには、有益な情報ですよね! まだまだ車種が豊富にあるので、今回はここで一旦終了としましょう!
次回は、『300CE-24、320CEカブリオレ/E320カブリオレ』、『230TE、300TE、320TE/E220T、E280T、E320T』、『230E、260E、300E、300E-24、320E、300CE、300CE-24/E220、E280、E320、E320クーペ』の3カテゴリーについて、相場感、購入時に気を付ける点などを、オールタイムスターズの森さんに引き続き語ってもらいたいと思います! 森さん、次回もよろしくお願いいたします。
メルセデス・ベンツ品川
東京都品川区東品川3丁目28−25
営業時間:平日 9:30~18:00 土・日 10:00~18:00
定休日:祝日
電話番号:03-5479-1700
メルセデス・ベンツ 浦安 ALL TIME STARS / サービスセンター
住所:千葉県市川市塩浜3丁目10−25
営業時間:10:00~19:00
定休日:毎週水曜日
電話番号:047-305-8800
文 菅原 晃
提供元・JPRIME
【関連記事】
・ロレックスはもう時代遅れ?富裕層が熱狂する2つの時計ブランド
・初心者が摂りたい筋トレの効果を高めるサプリ4選
・筋トレと有酸素運動、順番はどちらが先か?理由と効果を解説
・筋トレBIG3とは?忙しい人こそ実践したいトレーニングを紹介
・初心者向け!ネット証券ランキング