国民民主党の玉木雄一郎代表が井戸氏の投稿を引用して「同様のことが発生しないよう対策を講じる」と投稿しています。

この観点からは、井戸氏の上掲の謝罪の仕方ではあまりに認識が不十分であり、その問題点を指摘せざるを得ません。

「虚偽告白が明らかになったから」はおかしい:無罪推定原則の偏頗的適用の問題

新井祥子による虚偽の性被害の申告は、その当初から主張内容に無理なものが含まれていた2、という点は措いておくとしても、井戸氏の主張は、そもそも真偽不明の段階であっても(というか、だからこそ)書いてはいけない内容でした。

彼女は【草津町で考える 地方議会と「セカンドレイ〇」】3というタイトルで2020年末に朝日新聞論座に寄稿していましたが、そこでの論法は町長の黒岩信忠氏の側を加害者であると断定したものになっていました。

無罪推定原則の適用により恩恵を受けるのが新井だけで、何故か黒岩町長は適用を受けないという偏頗的な・非対称な扱いがあったという点が彼女の発信の問題の1つであって、その認識無しでは玉木代表の言うような「同様のことが発生しない対策」など行いようもありません。

当事者以外の第三者が「セカンドレイ〇」などと主張することの問題

当事者以外の第三者が「セカンドレイ〇」などと主張することの問題4は再三指摘してきていますが、ここでも改めて整理します。

当事者の双方が被害の事実関係を争っている場合、もしもその後に被害事実が存在しなかったら、その「セカンドレイ〇」という言葉自体が、即座に他の当事者への誹謗中傷になるからです。

この場合、「被害を受けた!」という主張そのものが相手方にとっては「ファースト」(名誉毀損や侮辱)なのであって、その立場の者に「セカンドレイ〇するな!」と言うことそれ自体が転用された意味での「セカンドレイ〇」になります。

したがって、このような場合、第三者はそんな言葉は使ってはならないわけです。

それは事実関係を精査してほぼ間違いないだろう、という判断が一応できる者など限られています。

もっとも、被害申告者に対して一応はその申告事実があるものとして何らかの支援をすることは、妨げられません。ただし、反対事実が相手方当事者から主張されている場合に、被害申告者の主張を無批判に肯定して同調し社会に拡散するという態度は、あってはならない。

そして、本件はもっと悪質な要素があります。

「寄り添い」を超えた自治体への名誉毀損・ディスカウントジャパン

群馬県草津町の事案は、被害者を支援する目的とは無関係に、草津町という地域社会全体、さらには日本国を貶めるような主張が振り撒かれました。

「セカンドレイ〇の町草津」5とまで言われ、それについて海外メディアが嬉々として報じる6というディスカウントジャパンの側面がありました。

本件は黒岩氏個人からの提訴以外にも、草津町自体が法的主体となって新井支援者に対して名誉毀損訴訟を提起しています。

フェミニストを装った者7による被害者への「寄り添い」に仮託した社会全体への攻撃という事件、それに加担したメディアという要素は、あまりにも無視されています。

玉木代表は、こうした要素についても警戒するよう対策を講じるようにしなければなりません。

まとめ:虚偽の被害申告への同調行為にも後戻りできる「黄金の架け橋」を

他にも、4月に新井が敗訴*8したというのに、自身が東京4区で国民民主党から衆議院議員選挙に立候補する段になった6月に初めて謝罪をするというのは、打算的な思惑も透けて見えてしまうとは言えます。