日テレ「必ず原作に忠実に」という条件を示されたという認識を持っていなかった

 芦原さんが日本テレビに「ドラマ化するなら『必ず漫画に忠実に』。漫画に忠実でない場合は本件原作者がしっかりと加筆修正すること」を条件として提示していたのかという点について、日テレは「条件は伝えられていなかった」との認識だった。一方、小学館は

「条件として文書で明示しているわけではないが、漫画を原作としてドラマ化する以上、『原作漫画とドラマは全く別物なので、自由に好き勝手にやってください』旨言われない限り、原作漫画に忠実にドラマ化することは当然」

という認識であった。

 また、「ドラマオリジナル部分については、原作者が用意したものを、そのまま脚本化する者を想定する必要や、場合によっては、原作者が脚本を執筆する可能性もあること」について、日本テレビは「上記のような条件を言われたことはなかった」との認識を示している。一方、小学館は日本テレビに対し「脚本が原作者の意図を十分汲まず、原作者の承諾を得られないときは、原作者に脚本を書いてもらうこともある」と伝えたとの認識であった。

「小学館からは、未完部分はドラマオリジナルのエンドでよい、という話であった」(日本テレビ/報告書より)

「未完部分は原作に影響を与えないよう、原作者が提案するものをベースにしたドラマオリジナルエンドで良いという趣旨で言った」(小学館/同)

 よって、日テレは小学館から「必ず原作に忠実に」「終盤は本件原作者が脚本を書くこともあり得る」という条件を示されたという認識を持っていなかったため、脚本の相沢氏にもその旨の説明はされていなかった。