■スターリンからの“お題”をすべてクリア
ロシアに逃れたメッシングは周囲の要望もあって再びサイキックショーを始め、数々の“隠し芸”で観客を驚かせた。
当時のソ連の最高指導者、ヨシフ・スターリンはメッシングに警戒しつつも興味を持ち、彼のサイキック能力を試すために“お題”を与えたのだった。
“お題”の1つは、何も書かれていない白紙を持って銀行に行き10万ルーブルを引き出せというものだった。メッシングは銀行の出納係をマインドコントロールし、白紙を正式な書類であると信じ込ませ、見事に10万ルーブルを引き出すことに成功した。
次の“お題”は、厳重に警備されているスターリンの部屋に手ぶらでやって来いというものだった。この“お題”にメッシングは周囲の警備員に自分が秘密警察長官に見えるようにマインドコントロールし、誰からも制止されることなくスターリンの部屋までたどり着いたのである。
“お題”を見事にクリアしたメッシングはスターリンにいたく気に入られて何度かクレムリンを訪れたという。そこでメッシングは第二次世界大戦の開始時期について“予言”したといわれている。またスターリンの死の時期(1953年)も予測していたということだ。
こうしてメッシングは単なるマジシャンの域を越えた“レジェンド”になったのだが、そのサイキック能力は自分の病には効果を発揮せず、1974年に腎臓と肺の病気によって他界した。
メッシングのサイキック能力は本人が語るように何ら神秘的なものではなかったのかどうか、今は知る術はない。そして彼についての“伝説”についてもすべてが事実であったのかを検証するのも今となっては困難だ。しかしスターリンの側近であった稀代のサイキックとしてヴォルフ・メッシングの名が忘れ去られることはないだろう。
参考:「Mysterious Universe」、ほか
※当記事は2020年の記事を再編集して掲載しています。
文=仲田しんじ
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提供元・TOCANA
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