『人とくるまのテクノロジー展 2024』でのデモの様子
実際のデモの様子を紹介しよう。
デモでは心電図、呼吸を感知できるようにしたベビーシートに乗せた赤ちゃんの人形にセンサーが反応している状況を見ることができた。
想定されているGUIはその大きさなどから赤ちゃんであることをしっかりと検知しており、精度の高さがうかがえる。テスト映像ではシート下の子供もしっかりと検知する様子が見られた。
デモ画面ではGUIをPCに表示する仕組みになっていたが、「将来的には社内通信のCANにつながって自動車や外部機器との連携も可能だ」という。車のダッシュボードで確認するのはもちろん、カギを閉めたあと、スマホで確認することが想定されている。運転手のストレスや眠気、状態異常を検知する「生体情報検知センサー」
今回のイベントでは、SMKとPontosenseのもう一つのプロジェクトとして、「生体情報検知センサー」も同時に紹介された。
こちらは「子供置き去り検知センサー」と同じく、電波によるセンシング技術を活用したセンサー。シートの中に埋め込むことで、乗員のバイタルデータ(心拍、呼吸、心拍変動)で健康状態を把握できる。
レーダー技術を利用し、非接触で生体情報を取得できるため、乗員の負荷も少ないのが特徴。特に「車の振動や乗員の体の動きなども考慮されたアルゴリズムで検知しているため、走行中でも使用可能」というところが差別化のポイントだ。
この検出されたバイタルデータから疲労度や眠気、車酔いなどの健康状態を推定でき、ドライバーの不調に対してアラートといった何らかのアクションを起こす仕組みだ。ストレス、眠気であれば香りや車内照明を利用して運転に集中できるように促すという活用が想定されている。
特に心臓発作など、突如運転ができなくなる予兆を発見し、車を路肩に止めるよう促したり、将来的には自動運転に切り替わり、強制的に手動の運転を止めて対処したり……などの活用も想定されている。
この製品もレーダーである必要性は高い。カメラでは「眠い」といった事象はとらえられるが、車内の明るさをはじめとする環境の影響を受けやすく、正しく検知できないシチュエーションもある。またウェアラブル端末を着けての計測も考えられるが、それらを非装着で運転してしまうケースも多いだろう。
レーダーであれば車に常備されていて、表面に出るサインよりも先にバイタルデータから予測できる。
デモ映像では同製品と比較用センサーによる心拍、呼吸数を計測していたが、停止時でプラスマイナス5%、運転時でもプラスマイナス10%と誤差はわずかで高い精度がうかがえる。
このソリューションは、一般はもちろんのこと、ドライバーを抱えるタクシーや運送業などにも有効だという。