韓国政府から初めて公道での安全認証取得
――韓国では今どれくらい稼働しているんですか。
Seo:韓国では現在、15か所の都市で合計70台くらい稼働中です。都心部やゴルフ場などのレジャー施設やリゾート地、大学キャンパスやマンションの居住区など、敷地面積の広い施設で配送に使われています。また、キャンパスや公園ではパトロールロボットも走っています。
Seo:韓国の法律上では基本的に歩行者と同じ扱いなので、歩道を移動します。速度は大体人が早歩きする程度で、車のように速くないので車道は走行できません。
弊社のモデルは小型(幅約56センチ×奥行き約67センチ×高さ約70センチ)のロボットなので、エレベーターに乗ったり、狭い場所にも出入りできるのが特徴です。日本の屋外用ロボットは大型が多くて、このサイズの小型ロボットはあまり見かけません。日本企業の方にお声がけした際に、いちばん関心を持っていただけるのがロボットのサイズですね。
日本での運用開始は今年8月目標
日本では2019年の官民協議会立ち上げ以来、宅配ロボットの実証実験が多数行われてきた。「ロボットデリバリー元年」とされる2022年には、一般社団法人ロボットデリバリー協会(RDA)が発足。2023年4月には「道路交通法の一部を改正する法律」の施行によって、「遠隔操作型小型車」として定義されるロボットの行動での自律走行が可能になっている。
――日本でももうすぐ歩道を走る姿を見られそうでしょうか。
Seo:日本で走り出すとしたら…現在、いろいろなパートナーさんと話を進めていまして、今年の下旬8月くらいを目標に準備をしているところです。日本のRDAさんが、自動配送ロボットの安全基準適合審査を実施されているので、当社も日本の認証に向けて準備に取り組んでいます。
韓国では、弊社のモデルは韓国の道路交通法に従って「屋外移動ロボット」と定義されるもので、韓国政府から運行安全認証を受けています。この認証の条件のひとつが遠隔操作が可能であること。弊社のロボットは遠隔操作が可能ですが、遠隔操作はあくまで緊急時に行うもので、普段は自律走行で街中を走っています。
――見た目が可愛いですけど、攻撃されたり、蹴られたりといったことはないでしょうか?
Seo:これまでに蹴られたことはないんですけど、子供たちにすごく人気なので、囲まれちゃったりということはあります(笑)。