2024年2月25日午後1時ごろ、米ワシントンにあるイスラエル大使館前で、男性が自らの体に火をつけて焼身自殺をはかる事件が起きた。病院に搬送された男性は数時間後に死亡した。

「パレスチナを解放せよ」と叫んで焼身自殺する

 死亡した男性はアーロン・ブッシュネルさん(25)だ。マサチューセッツ州ホイットマン出身で、テキサス州サンアントニオのラックランド空軍基地に駐屯する米空軍の隊員だった。2020年5月に現役で空軍に入隊し、情報技術と開発業務に従事してきた。

 2024年2月25日、米空軍の制服を着用したブッシュネルさんは、「私はもう虐殺に加担しない」「私はこれから過激な抗議行動をとろうとしている」などと語りながら、イスラエル大使館まで徒歩で移動した。大使館の門前に到着すると、携帯電話を地面に置いた。ライブストリーミング配信プラットフォーム「Twitch」で生配信を続けるためだ。彼はカメラの正面に立ち、自らの体に可燃性の液体をかけて火をつけた。全身があっという間に炎上する中、倒れるまで「パレスチナを解放せよ」と叫び続けた。シークレットサービスが駆け付け、消火器で火を消し止めたのだった。

 Twitchへのリンクはブッシュネルさん自身のFacebookページに掲載されていた。Twitchは、利用規約に違反したとして、焼身自殺の動画を削除した。しかし、オリジナル動画を編集した動画がSNS上で拡散された。海外の過激動画共有サイト「theYNC.com」などではオリジナル動画も公開されている。