■思わず「そこまでやるか」と驚き…

文明堂の歴史は古く、今から100年以上前の1900年(明治33年)に、長崎県にて「文明堂」が創業される。

その後は地元・長崎で努力を重ね、苦難を乗り越え、1922年(大正11年)に東京への出店を実現。日本の百貨店初となる「実演販売」や「増量サービス(おまけ)」といった画期的なアイデアを導入し、大きな人気を博していく。

文明堂カステラに書かれた3つの数字、一般常識と思いきや… 衝撃のカルチャーギャップが話題
(画像=『Sirabee』より引用)

そして1937年(昭和12年)に満を持して誕生したのが、文明堂を象徴するキャッチフレーズ「カステラ一番、電話は二番」なのだ。しかし「電話は二番」というフレーズを聞いても、ピンと来ない人が大半だろう。

こちらの疑問について、文明堂は「電話が普及し出した1890年代は、電話と電話の間に『交換手』と呼ばれる人物がいて、その交換手が相手に繋げてくれることによって、やっと通話ができました。電話機の受話器をあげると交換手に繋がり、『新宿の○番のAさんに繋げてください』と通話先の交換手に伝えると、Aさんに繋いでもらえる…という仕組みでした」と、説明する。

ガラケー、スマホ世代の我々からすると信じがたい手間だが…察しの良い読者は、このエピソードを聞いただけで閃いたのでは。そう、文明堂はこの「○番」に当たる番号が「2番」だったのだ。

文明堂カステラに書かれた3つの数字、一般常識と思いきや… 衝撃のカルチャーギャップが話題
(画像=『Sirabee』より引用)

さらには、各地域の電話局の「2番」を買い揃え、電話帳にも同キャッチフレーズを大きく打ち出した広告を掲載するという、もはや「執念」を感じさせる徹底ぶり。かくして「文明堂=二番」というイメージは、狙い通り見事に浸透していくのだった。

なお、現代の文明堂にも同施策の名残が見られ、店舗や工場等の電話番号の下1桁では「2」が使用されているというから驚きである。

ちなみに、文明堂の担当者は「『三時のおやつは文明堂』のフレーズにつきましては、一般消費者からの標語募集で決定いたしました」とも補足している。